政府は22日、中国や韓国、台湾など12か国・地域と往来再開に向けた協議を始めることを決定した。来年夏の東京五輪・パラリンピックに向け、選手や大会関係者らの入国制限を緩和する措置を検討する方針も打ち出した。 安倍首相は首相官邸で開かれた新型コロナウイルスの対策本部で、「国外からのウイルス流入防止に万全を期すと同時に、国際的な人の往来の再開を順次進めていくことも重要だ」と述べた。 往来再開の新たな対象国・地域は、中韓台とモンゴル、マレーシア、ブルネイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス、シンガポールに、香港、マカオ。いずれも感染状況が落ち着いており、日本と経済的な結びつきが強い。6月18日には、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとの交渉入りを決めており、今回は第2弾となる。 茂木外相はこのうち、ベトナム、タイとは7月中に長期滞在者や駐在員の往来が再開するとの見通しを示した。対象国・地域のさらなる追加については、「欧州の主要国やハワイなどが対象に入れられるか、検討していきたい」と述べた。外務省で記者団に語った。 この日の対策本部では、日本に生活拠点があるものの、新型コロナ対策の入国拒否措置で日本に入国できない在留外国人約8万8000人について、再入国を順次認める方針を確認した。 さらに、感染状況が依然として深刻な欧米諸国のトップ経営者らを念頭に、短期間・少人数に限定した往来の枠組みを導入することも決めた。ビジネス上の必要性が大きいことを踏まえたもので、チャーター機を利用するなど公共交通機関は使わず、滞在日数は3日間程度に限ることなどを想定している。 また、首相は対策本部でPCR検査などの検査体制を拡充する考えも示した。PCR検査センターの設置などで、入国者への検査能力を9月中にも1日あたり1万件に増強する見通しだ。 一方、政府はネパールなど17か国・地域を入国拒否の対象に追加することも決めた。24日から適用する。発給済みの査証(ビザ)の効力停止や入国者全員への14日間の待機要請などの水際対策については、7月末までの期限を8月末まで延長した。 ■往来再開に向けた 政府方針のポイント ▽中国、台湾、韓国など12か国・地域と新たに協議を開始 ▽来年の東京五輪・パラリンピックに向け、選手や関係者の入国緩和措置を検討 ▽出国中の在留外国人の再入国を順次許可 ▽欧米諸国と短期間・少人数に限定した往来の枠組みを導入 ▽PCR検査体制を強化
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