Source:https://www.qab.co.jp/news/20221118158008.html
沖縄に暮らすネパールの人々の間で、献血ボランティアの活動が広がっています。去年6月から1年半の期間で、のべ1000人以上が協力したそうです。「献血」に込めた思いとは?ボランティアの中心を担っている留学生を取材しました。
室内に広がるスパイスの香り。こんもりと盛られた伝統料理。額にティカと呼ばれる赤い祝福の印を授けられた人々。これは、ネパール最大の祭り「ダサイン」。沖縄でいえば旧盆や正月のようなもので、家族や親せきと祝います。沖縄に暮らすネパールからきた留学生たちも、遠く離れた家族を思い、友人たちと過ごす特別な祭りです。
10日かけて行うダサインにあわせ、献血のイベントを企画したひとりの青年がいます。
ネパール出身の留学生 サハ・ラフル・クマルさん「献血の場合は、もう世界、人間は血は一緒です、どこでも。国も関係ないし。そういうことは何も関係なくて、お金がなくてもこういうボランティア、こういう手伝えることができますから」
ダサイン初日、久茂地の献血ルームを、揃いのポロシャツ姿で訪れた人々がいます。「ネパール献血者協会」のメンバーです。定期的に献血イベントを開催し、県内在住のネパール人に献血を呼びかけています。この日は、ダサインにあわせ、企画しました。
ネパール出身の留学生 サハ・ラフル・クマルさん「きょうはネパールで特別な日です。ダサインフェスティバルというフェスティバルの初めての日です。みんなきょうは神様にお祈りをします。みんなうれしくて、新しいことやりたい日です。献血したらうれしいじゃないですか、とてもいいと思います」
献血やりとり職員「きょうのお昼ごはんは?」ラフル「ちょっとこれ、説明します」
間に入って、日本語の伝わりにくいニュアンスを説明していたネパール人留学生のラフルさん。新型コロナの影響で献血者数が減っている状況に心を痛め、去年6月、留学生仲間を中心に「ネパール献血者協会」を立ち上げました。1年半のうちに、のべ1000人以上から協力を得ています。この数字、実は沖縄に暮らすネパール人の半数にあたり、いかにラフルさんの活動が支持されているかを物語っています。
参加者「みんなを助けるために。やりたいと思ってやっています」
参加者「日本の血が足りない時も、ボランティアでやっております。ちょっとうれしいです」
ラフルさんは、コロナ前の2019年5月に、日本語留学のため沖縄を訪れました。今年、那覇市内の専門学校に進学し、会計ビジネスを学んでいます。勉強とアルバイトで忙しく、時間に余裕があるわけではありませんが、献血を通して、沖縄に恩返しがしたいと考えていました。それは、コロナ禍で多くの留学生が、アルバイトを失うなど生活苦に陥ったときに、社会福祉協議会や支援団体の人々に助けてもらった経験があるからです。
ネパール出身の留学生 サハ・ラフル・クマルさん「何か手伝えることがあるんだったら何か手伝いますの気持ちを、もう沖縄世界でどこでも行ったら、そういう気持ちがあるかなと思ってます。だから沖縄で何か地域の人たちと一緒に笑いましょう。スマイルしましょうの気持ちがあります」
「沖縄に恩返しをしよう」というラフルさんの思い、どのようにして留学生たちに共有しているのでしょうか。
「こんにちは、頑張ってください」この日は、沖縄に来たばかりの新入生むけに、那覇市の協力を得て、食料提供をおこないました。
ネパール出身の留学生 サハ・ラフル・クマルさん「これはネパールの豆。ライスとスープみたいに作って、よく毎日、昼・朝食べる物ですね 」「新しい学生たちがきて、まだ日本の食べ物とか、まだ口に合わないかなと思って、これにしましょうかなと思いました」
日本語がまだ上手ではない新入生は、バイトが見つからず、生活に困ることもあります。ラフルさんは、留学生の連絡先や学校、バイト先などをまとめた名簿をつくり、何か困ったことがあればいつでも相談できるよう体制づくりに取り組んでいます。
ネパール出身の留学生 サハ・ラフル・クマルさん「仕事、アルバイトとかは見つからなくて、困っていた学生たちから、メールとか、ほかの知り合いからアルバイトないですかとかきてて、5000円貸してくださいとかのメールもたくさんあって、SNSとかで声かけて、困っている学生たちに何かできるとか、助けることがあるかなって探して、やるようになりました」
食料を渡したあとに必ず伝えるのが、「誰からの支援か」ということ、そしていつか状況が落ち着いたら「恩返しをしてほしい」というメッセージです。
ラフルさん「お互いのことを教えました。今回は、地域の人たちからサポートをもらいました。次は献血やりたいんだったら、困っている人たちにサポートしてくださいね。お願いします」
ラフルさんは、母国でも、学生の時から、農村部で衛生用品の作り方研修会を開くなど、様々なボランティア活動を行ってきました。手助けの選択肢が数多くあるなかで、「献血」にこだわる理由とは…
サハ・ラフル・クマルさん「献血の場合は、もう世界、人間は血は一緒です、どこでも。国も関係ないし、何かどのカースト、自分の何だろう、仏教とかヒンズーとかあるんですよね。そういうことは何も関係なくて、お金がなくても、こういうボランティア、こういう手伝えることができますから」
人種も貧富の差も関係なくできる献血の輪を全国に広げていきたいと、献血をしながら47都道府県全国制覇にも挑戦しているラフルさん。さらに今週末には、ネパールと沖縄をつなぐ、初めてのフェスティバルに挑戦します。
チラシみせるラフルさん「第1回ネパールフェスティバル2022です。沖縄で初めておこなうフェスティバルです」「ネパールの文化とか、ネパールの料理、ネパールのものとか、すてきなものとかがあるんですよ、もちろん献血イベントもあるし」「つながれば仲良くなるかなと思う、沖縄人とネパール人。そういう仲良くになってまた自分たちの地域の、もっとみんなまたスマイルに、また笑うことになるかなと思ってます」
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