Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/131ca5d18c7a5863a8a2821f2e8621ce22d4dcc5
【列島エイリアンズ】 開業したばかりのジブリパークの限定グッズでも早速問題となった外国人の大規模な転売行為。SNSなどで彼らに向けられる苦言は、ここ数年、特に高まっている。円安や各国でのEC(電子商取引)の台頭、コロナ禍でのアルバイトの減少などを背景に、転売行為に加担する外国人が増えていることも理由とみられるが、彼らなりの論理もあるようだ。 「仕入れたものに利益を乗せて売るのは、商売の基本。また、手に入りにくいものをほしい人のために代理で購入するのも、正当なビジネス。法律違反でない限り、責められる理由はないですよ」 そう言い放つのは、都内で貿易商を営む中国人女性、劉民華さん(仮名、45)だ。貿易商と言っても、売り上げのほとんどは転売行為によるものだという。 「限定販売のブランド品や玩具、日本酒、ウイスキーなどを日本で仕入れ、中国市場で売っている。年商は1億円ちょっと。基本的にはSNSで中国人の学生などを集めて並ばせて入手します」(劉さん) 劉さんが反論を続ける。 「転売を批判する人は、なぜ商品の販売元を批判しないのか。販売元が限定品販売や品薄商法をやめ、ほしい人がほしいだけ買える量を十分に供給すれば、転売行為は起きないはず。昔、飢餓で苦しむアフリカの難民キャンプに、米軍が食糧をヘリで投下したら、難民らが奪い合って大混乱となり、多数の死者が出たことがありますが、その責任は誰にあったのか」(劉さん) 現状を逆手に取る劉さんの主張は、自身の行為を棚に上げているようにも感じるが、限定品販売や品薄商法が転売行為を助長しているとの批判には一理あるようにも思える。 劉さんによると、販売元や小売店で取られている転売ヤー対策も、多くの場合、転売行為を過熱させる結果に陥っているという。 =つづく ■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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