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「3月に申請した協力金が10月になっても振り込まれていません」-。新型コロナウイルス感染拡大防止のため時短要請に従った飲食店に県が支給する「協力金」。ほぼ同じ内容で申請した同系列の県内カレー店3店舗のうち、なぜか1店舗だけ長期間、支払われなかったことが双方向型調査企画「ちば特 千葉日報特報部」への情報提供で分かった。事務局の対応が二転三転した上、「他には言わないで」とくぎを刺されたという。11月になりようやく支給されたものの、店に代わり申請手続きを行った行政書士は「あまりにずさん。県の委託事業であれば指導監督を徹底すべき」と憤る。 (「ちば特」取材班 中瀬健太) 情報提供してくれた行政書士のSさん(匿名)によると、問題となったのは今年2月8日~3月7日の間に時短要請に協力した店に支払われる第3弾の協力金。Sさんに依頼したネパール国籍の社長は、インドカレー店「メハマン」を千葉、浦安、松戸市で計3店舗経営しており、このうち2店舗は6月中に振り込まれたが、なぜか1店舗だけ支払われなかったという。
◆「100%支給」驚き
「3店舗ともほぼ同じ内容で申請したのになぜ1店舗だけ…」。Sさんが事務局に問い合わせると、「第3弾の申請資料を第2弾のフォルダにしまっていた。これから審査します」との釈明。それから約1カ月間、事務局から連絡がなかったため、再び確認すると「何のことでしょうか。審査中ですので」と事務局。Sさんは「引き継ぎがうまくいっていない様子だった」と振り返った。 さらにSさんを驚かせる出来事が9月20日に起こった。県のホームページでSさんが協力金の支給状況のページを確認すると、第3弾の協力金の支給率が「100%」になっていることが判明。その上、第7弾まで振り込み状況が100%になっていた。
◆他に言わないで
Sさんが語気を強めて事務局を問いただすと「毎回、進捗(しんちょく)状況を報告します」。Sさんは「事務局の上司や県の担当者と話がしたい」と訴えたが、事務局は「それはできない」の一点張りで「個別の案件で動き出します」「他には言わないでください」などとくぎを刺されたという。 「事務局の発言がきな臭い」と感じたSさん。県に直接確認すると「そんなことはない。事務局に指示をした。また連絡します」との返答だった。 11月15日に事務局の責任者から「本当に申し訳ありません。協力金を支払ったことになっていました」といった謝罪の電話があり、続いて11月18日に振り込んだ旨の連絡があった。
◆金借りて給料に
5カ月遅れでようやくの振り込み。社長は「コロナの影響で3~5月は特に資金繰りに困った。仲間から金を借りて料理人たちの給料などに回した」と苦労を明かした。 「第3弾の頃は申請が殺到した。支給処理に時間がかかるのは分かる」と一定の理解も示すSさん。ただ、「来年も協力金の支給が行われるのであれば、今のままでは大変心配。県には指導を徹底してほしい」と求めた。 一方、県経済政策課は情報提供について「事務局に対して支給が完了したものを再確認するように指示した」と説明。今後の対策として「支給前などのチェック体制を厳しくするよう指導する」と述べた。 コロナ禍のうちに暮れる今年も、飲食店の多くは厳しい経営状況が続いた。経済を少しでも回すには協力金は欠かせない。コロナの収束が見通せない中、安定的な支給を期待したい。
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