2019年5月29日水曜日

奈良でリセット!大人のパワースポット3選

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190503-00277991-toyo-soci
5/3(金) 、ヤフーニュースより
今年のゴールデンウィークは超大型連休。京都に並ぶ関西の一大観光地・奈良を訪れる観光客は多いはずだ。常日頃から宗教や信仰を意識する日本人は少数派とはいえ、鳥が歌い、心ときめく春の長休みともなれば、人々の足は、自然とお寺参りに向くこともあるだろう。
この記事では、お寺と仏像をこよなく愛し、新刊『イラスト丸わかりガイド 日本の仏さまとお寺』を著した日本の仏とお寺研究会のお2人に、このゴールデンウィークの奈良旅で行っておくべき「ご利益のある」お寺を独自の視点で厳選していただき、そこにまつられている仏様のいわれなど、イラストを使いながら解説してもらう。
注目パワースポット① 金峯山寺と蔵王権現
 すさまじい気を放つ、巨大な青き金剛蔵王権現(ごんげん)がおわす金峯山寺(きんぷせんじ)。役小角(えんのおづぬ)が開創したこの寺は、古くより山岳信仰の盛んだった吉野山にあります。役小角が修験道を開いてからは、その聖地として発展し、平安時代に聖宝(しょうぼう)が寺を整備して、金剛蔵王権現を祭りました。

 この金峯山寺では3体を秘仏とし、高さ34メートルの国宝・蔵王堂に安置しています。蔵王権現は仏の化身とされ、本地仏(ほんじぶつ。根本となる仏)は、中央が釈迦如来(過去世)、向かって右が千手観音(現世)、左が弥勒(みろく)菩薩(未来世)。3世にわたり人々の救済を誓っており、怒りの表情の恐ろしい姿には深い慈悲が隠されています。
 蔵王権現を本尊とする金峯山寺は、山岳信仰の聖地。力強いエネルギーがみなぎり、浄化のパワーが高いともいわれるところがパワースポットたる理由。恋愛の神様・愛染明王(あいぜんみょうおう)も祭られ、恋愛成就にもご利益ありとか。

■この寺にまつられる注目の仏様

 仏が人々を救済するため、日本の神として現れたときの仮の姿を「権現」といいます。

 蔵王権現は修験道の本尊で、役小角が金峯山で行っていた一千日修行中、衆生を救う仏の出現を祈った際に感得したと伝えられます。
 一説には、初め釈迦如来が現れたが、乱れた世には優しすぎると訴えたところ、次に千手観音、そして弥勒菩薩が出現し、それでも納得しないでいると、最後に忿怒相の蔵王権現が登場したそうです。

 外見は、一面三眼二臂(ひ)の忿怒形で青黒い身体。右手と右足を上げているのが特徴で、金剛杵(しょ)を持つ場合もあります。左手は刀印または剣印を結び、腰にあてています。

【所在地】奈良県吉野郡吉野町
【名物行事】節分会・鬼火の祭典・蓮華会・蛙飛び行事
【王道土産】吉野葛

注目パワースポット② 安倍文殊院と文殊菩薩
 文殊(もんじゅ)菩薩の代表的な作例といえば、安倍文殊院に安置されている国宝・渡海(とかい)文殊菩薩像です。獅子にまたがった7メートルの巨大な文殊菩薩と、それに従う個性的な風貌の4人の仏は、名仏師・快慶により制作されました。

 この寺は、遣唐使・阿倍仲麻呂や陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明も名を連ねる、安倍一族の氏寺です。創建は大化の改新時と伝わります。
 仲麻呂と晴明の両氏をまつっているのは、池の上に建てられた美しい金閣浮御(ふみ)堂。ここで参拝者は、厄災を払うための「七まいり」を行います。

 この安倍文殊院がパワースポットといわれるのは、やはり陰陽師との関わりが大きいようですが、安倍晴明を詣でることによる厄除けをはじめ、文殊菩薩のご利益である合格や学業成就、境内にある白伽山堂での縁結びの効果などが期待できそうです。

 また、境内には国指定特別史跡の文殊院西古墳や、「知恵の水」が湧くという閼嘉井(あかい)の古墳などがあります。季節ごとに移ろう花々の眺めもよく、見どころのつきないお寺です。
■この寺にまつられる注目の仏様

 実在の人物との説もある文殊菩薩はバラモン家の生まれ。出家し、釈迦の弟子となりました。

 釈迦入滅後は、ヒマラヤにて500人の仙人の前で教えを説いたといわれ、今も清涼山で、1万人の菩薩を相手に説法を続けているそうです。

 「三人寄れば文殊の智慧」ということわざにあるように、智慧を司る菩薩です。その智慧を象徴する逸話が、経典『維摩(ゆいま)経』に残されています。大乗仏教の奥義に精通していた聡明な維摩居士(こじ)に、釈迦の弟子でも議論でかなう者はおらず、いつも弟子は論破されていました。
あるとき釈迦が、病気になった維摩居士のお見舞いに文殊菩薩を遣わしたところ、両者は対等にわたりあったとのこと。

 姿は基本的な菩薩形で、主に右手に剣、左手に経巻(きょうかん)を持ちます。

【所在地】奈良県桜井市
【名物行事】文殊お会式、寺宝展
【記念土産】手作り落雁

注目パワースポット③ 法隆寺と釈迦如来
 世界最古の木造建築群を有する法隆寺は、1993年に日本で初めて世界遺産に登録されました。

 国宝所有数は寺院の中で最も多く、建造物18件、美術工芸品20件。寺の境内にはよい気があふれ、とくに五重塔と八角円堂はパワースポットとされています。
 法隆寺を開創したのは聖徳太子。用明天皇が自らの病気平癒(へいゆ)のため寺の建立を願ったことから、子の聖徳太子と推古天皇が、崩御後でしたが607年に完成させました。本尊の薬師如来も同時に納めています。

 しかし『日本書紀』によると、670年に火災で全焼したそう。再建された時期については今日も議論が続けられています。

 寺中は金堂と五重塔を中心とした西院伽藍(さいいんがらん)と、八角円堂の夢殿がある東院伽藍に分かれています。1300年の風格漂う境内です。
■この寺にまつられる注目の仏様

 仏教が成立した初期は、釈迦を像にすることが禁止されていました。

 しかし釈迦死後、シンボルとして蓮華や法輪、仏塔が作られ、礼拝対象となります。さらに時が経ち、初めてできた仏像が釈迦如来です。

 釈迦は本名をゴータマ・シッダールタといい、ネパールにあるルンビニー園で王子として誕生しました。摩耶夫人(まやぶにん)の右脇から生まれた直後に7歩歩いて天を指し、「天上天下唯我独尊」と宣言したそうです。
 結婚し、男児をもうけましたが、人生の辛苦、世の中の無常に悩み、29歳で出家します。山中で苦行に励むこと6年。けれど悟りは開けず、衰弱した釈迦は里へおります。そして回復後、ブッダガヤの菩提樹の下で瞑想に入り、そこでついに悟りの境地へと至るのでした。

 釈迦は当初、悟った内容が難解だったため、内に秘めておくつもりでした。そこに梵天(ぼんてん)が現れ、衆生に広めるよう説得します。梵天の熱心さに心を動かされた釈迦は、説法することを決意。このことは「梵天勧請(ぼんてんかんじょう)」と呼ばれています。
 また、初めての説法は修行仲間の前で行いましたが、これを「初転法輪(しょてんぽうりん)」といいます。仲間はのちに弟子となりました。

 その後、釈迦は弟子たちとインド各地で教えを説き、最期はクシナガラの沙羅双樹の下で、涅槃(ねはん)に入りました。

【所在地】奈良県生駒郡斑鳩町
【名物行事】お会式
【名物】柿
 以上、これから「令和時代」を生きる大人たちにおススメの「パワースポットな奈良のお寺と仏様」を解説しましたが、令和の第一歩、奈良のお寺に足を運んで心をリフレッシュさせるのもいいものです。自分の運気を上げるささやかなきっかけになるはずです。
日本の仏とお寺研究会

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