Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/49998408e548c032a23b9b18182bc4d4756848bd
外国人観光客も含め、数百人が今なお行方不明のままだ
8月26日、泥水の巨大な濁流がヒマラヤ山脈にある国境検問所の吉隆口岸を轟音とともに襲い、建物をのみ込んだ。ネパール北部とチベット各地では、死者を伴う鉄砲水によって地域社会が壊滅的な被害を受けている。 【動画】逃げ惑う人も車も巨大な建物も土砂に飲み込まれる…中国とネパールの国境検問所で発生した土砂崩れを映した監視カメラ映像 熱索橋の監視カメラ映像には、泥や岩、水が混じった茶色い濁流がネパール側から峡谷を猛烈な勢いで下り、口岸の建物をのみ込む中、人々が安全な場所へ逃げる様子が映っている。 AP通信が当局者や気候専門家の話として伝えたところによると、氷と岩の雪崩が川をせき止めた後、突如として下流に大量の水が流れ出し、数百人が死亡、行方不明になったと報告されている。洪水はネパールのラスワ郡で村や道路、水力発電施設を破壊した後、中国側の国境地域を襲った。電力と通信が寸断される中、救助活動が開始された。 当局によると、観光客384人が行方不明と報告されており、このうち291人はインド、アメリカ、イギリス、マレーシアなどから訪れた外国人だった。 ネパールは、当局が被災地域への到達を図る中、近隣国のインドと中国に救助活動への協力を要請した。 ネパール政府のサスミット・ポカレル報道官はAP通信に対し、「救助活動への協力をインドと中国の双方に要請した」と述べた。 ラスワ郡では2025年8月にも同様の洪水が発生している。この際には、山岳地域の高温が続く中、隣接するチベットの氷河湖があふれた。9人が死亡し、ネパールと中国を結ぶ橋などの重要インフラが損傷した。 本誌は在ネパール米国大使館と米国務省にコメントを求めている。
鉄砲水の原因は?
国際総合山岳開発センターの気候専門家によると、国境のネパール側にある氷河から氷と岩が崩れ落ちて雪崩となり、レンデ・コラ川をせき止めた後、突如として大量の水が下流へ流れ出した可能性が高い。 同組織で災害リスク軽減を専門とするサスワタ・サンヤルは、「レンデ・コラ川では14カ月間に2度洪水が発生した。今回はネパール側の氷河から氷と岩の雪崩が起きて川をせき止め、その後、大量の水が突如として下流へ流れ出したことが原因だ」と述べた。 サンヤルによると、今回の災害は、気候に関連した災害の危険にさらされる度合いが高まっているこの地域で、警報システムの必要性が増していることを浮き彫りにした。 さらに、「温暖化するヒマラヤでは、早期警報が適応策の第一線だ」と述べた。 ヒマラヤ地域は、人為的な気候変動によって世界の他の地域よりも速いペースで温暖化が進んでいるため、洪水や地滑り、豪雨の影響を特に受けやすい。カトマンズに拠点を置く同組織の研究では、ヒンドゥークシュ・ヒマラヤ地域全体における氷河の氷の減少速度は、主に世界的な気温上昇により、2000年以降2倍になっていることが明らかになった。
鉄砲水に対する中国の対応
中国国営の新華社通信によると、中国の習近平国家主席は、土砂災害によって吉隆口岸で死傷者が出たことを受け、行方不明者の捜索に「全力を尽くす」よう指示した。 習主席は、危険にさらされている住民を避難させ、負傷者が速やかに治療を受けられるよう求めた。また、監視・早期警報体制を強化し、救助活動を慎重に進めるとともに、二次災害を警戒するよう当局者に指示した。 李強首相は当局に対し、行方不明者と被災者の人数を確認するよう命じ、外交部には他国と連携して情報を共有するよう指示した。新華社通信によると、張国清副首相は被災地を訪れ、救助・災害対応活動を指揮した。 国営紙『環球時報』によると、人民武装警察チベット総隊の情報として、シガツェ支隊の将兵計145人が吉隆口岸に派遣された。同紙は、ドローン映像から、口岸の建物ががれきに埋もれていることが確認されたと報じた。 国営放送CGTNによると、中国財政部と応急管理部は、災害後の救助・救援活動を支援するため、1億2000万元(約28億8000万円)を拠出した。
ダニエル・オートン、ブレンダン・コール (本誌記者)

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