Source:https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/04/49d916d2d10735ad.html
ダッカ発2021年04月21日、GOOGLEニュースより
バングラデシュ中央銀行の発表
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これらの背景としては、派遣先各国の厳しい雇用環境の中、出稼ぎ労働者がバングラデシュへの帰国前に資金を一斉に送金したこと、政府が新型コロナ禍の中でも郷里送金に係るインセンティブを継続したことが挙げられる。また、国外渡航が大幅に制限されたことにより、統計に表れない違法な送金が減少したことなどが考えられる(2021年1月19日記事参照)。
世界銀行が3月31日に発表した調査によると、バングラデシュは予想以上の郷里送金に支えられ、2020/2021年度の実質GDP成長率は3.6%と予測されており、近隣のネパール(2.7%)やパキスタン(1.3%)、ブータン(マイナス1.8%)を上回っている。他の南アジア諸国とは会計年度の期間が異なるため、直接の比較はできないものの、バングラデシュは南アジアの中でも堅調な経済成長が予想されているといえる。なお、世界銀行の調査は、南アジア全体で2021年(1~12月)は7.2%成長を見込んでおり、その主な要因として、新型コロナ感染拡大の抑え込みと迅速に進む国民へのワクチン接種を挙げている。
他方、インドやバングラデシュでは新型コロナ感染の再拡大が急速に進んでおり、今後の出稼ぎ労働者の派遣や郷里送金額などによる経済成長の傾向が一転する可能性もある。現在、バングラデシュでロックダウンに伴う外出制限や国際線運航停止など厳しい規制が講じられる中、政府は出稼ぎ労働者派遣のためサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタール、シンガポールへの特別機を手配すると報じられている。感染対策と経済成長の維持のはざまで、難しいかじ取りを迫られている。
(山田和則、安藤裕二)
(バングラデシュ)
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