Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6eb20f5f6389542e622934b01013d16fec738f61
国連平和維持活動(PKO)協力法の成立から15日で30年を迎えた。 政府は1992年以降、自衛官を中心に延べ1万2500人を各地に派遣。現在は大規模な部隊派遣から、少数の司令部要員の派遣や、他国部隊の教育など「能力構築支援」に、活動内容がシフトしている。 法制定のきっかけは91年の湾岸戦争。日本は多国籍軍に総額130億ドルの財政支援を行ったものの人的協力は見送った。これが「小切手外交」とやゆされた苦い経験を踏まえ、宮沢政権下の翌92年6月に成立した。 同9月に初のPKO部隊をカンボジアに派遣。その後、モザンビークや東ティモール、ハイチなどで実績を重ねたが、2017年に撤収した南スーダンを最後に、部隊派遣は途絶えている。 現在、現地での活動は途上国の部隊が中心。派遣国のトップ3はバングラデシュ、ネパール、インドだ。紛争当事国の周辺からPKOを受け入れる「現地化」の流れが強まっていることや、派遣に伴う国連からの償還金を途上国が求めていることが、背景にある。 先進国の役割は、途上国の教育・訓練などに移っている。憲法上の制約が多く、危険地帯への派遣に慎重な世論が根強い日本にとっても、こうした活動は「受け入れやすい」(防衛省幹部)という。 自衛隊は12年以降、カンボジアやベトナム、モンゴルなどに対し、インフラ整備や衛生といった分野の知見を提供。岸信夫防衛相は14日の記者会見で「大きな部隊を派遣する形ではなく、重要なノウハウを伝えることに支援の中心が移ってきている」と説明した。 一方、政府に新たな部隊派遣の予定はなく、防衛省幹部は「10年、20年と時間がたつに従い、現場を経験した人が減っていく」と危惧する。この30年間の蓄積を、自衛隊内でどう継承していくかが、今後の課題となりそうだ。
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