Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/43744cba05aa70971b1218e640fe71e53b158871
外国にルーツを持つ子どもについて、保育園などの受け入れ態勢が整備されていないことが神戸市保育園連盟のアンケート調査で判明した。言語や慣習、文化の違いへの対応が現場任せになっており、保育士や専門家は行政の積極的な支援を求めている。 調査は2021年11月、連盟に所属する私立の保育園、認定こども園、小規模保育施設の計329園にアンケートし、196園から回答を得た。 国籍に関わらず、外国にルーツがあり、日本と異なる言語や文化、慣習で育った「外国とつながる子ども」は61・2%にあたる120園で保育されていた。地域別では、兵庫区が100%、長田区が88・9%、中央区が86・7%と高い割合を占めた。一方で、須磨区は46・1%、垂水区は23・1%、西区は32・0%で地域差があった。国別では中国が最多の58・3%で、ベトナム30・0%▽韓国・朝鮮16・7%▽ネパール15・0%▽フィリピン12・5%――と続いた。また、こうした子どもが「増えていると思う」とした園も40・3%にのぼった。 「外国とつながる子ども」について「受け入れ態勢が整っている」としたのは10園の5・1%で、「今後も積極的に受け入れたい」とする園は15園で7・7%にとどまった。課題は複数回答で、「言葉でのコミュニケーション」(82・6%)、「食文化・食生活の違い」(57・0%)、「生活習慣・文化の違い」(45・6%)が多かった。 15日に市内であった連盟の研究集会で結果が報告された。調査を担当した友愛幼児園(中央区)の武本いちほ保育教諭(44)は「園側は外国とつながる子どもを手探りで受け入れており、負担感が増している」と話した。保護者と日本語で意思疎通ができないことや、宗教上の理由から特定の食材を避けたり、女児に男性職員が関わらないよう求められたりした事例を紹介した。武本教諭は相談窓口の設置や、受け入れ時のアドバイスをハンドブックにまとめるなど「行政の支援が必要だ」と訴えた。 神戸松蔭女子学院大の林悠子准教授(保育学)は「全国的に行政による保育現場への支援が不足している」と指摘。「緊急時やトラブルの際、素早く通訳を呼べる環境が求められている」とし、市に事前予約制となっている通訳派遣の仕組みを見直すよう求めた。市こども家庭局の小園大介・幼保振興課長は、音声認識機能付き翻訳機の導入支援や、絵を使ってコミュニケーションを図る教材の提供など「まずは既にある市の支援を周知したい」と話した。【大野航太郎】
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