Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/d15912971c268ac9282766b7eb7a6447eecd9665
先月、ネパール航空機墜落のニュースに、カトマンズから飛行機に乗った日のことを思い出しました。私は世界のニュースを見るたびに、その国での旅を思い出します。そして、旅を振り返りながら、祈りの気持ちを込めてその国の料理をいただくことにしています。 【写真】新大久保、リトル・カトマンズの元祖のお店に潜入! というわけで、今回は東京・新大久保に足を伸ばしました。すっかりコリアンタウンとして定着した新大久保ですが、日々進化が止まらない! 近年ではイスラム横丁と呼ばれるエリアでネパールタウン化が急速に進んでいて、今や"リトル・カトマンズ"とも言われているとか。これは行かねば。レッツゴー! ネパールは世界で唯一、四角形でない国旗を持つ国。インドとチベットの間に位置する内陸国で首都はカトマンズ。エベレストがあるヒマラヤ山脈で知られ、登山の玄関口として世界中から観光客が集まります。 宗教はヒンドゥー教が8割を占め、仏教やイスラム教などが混在。ヒンドゥー教では牛はシヴァ神の乗り物として神聖なので、牛肉を食べることはタブーです。しかしなんと不思議なことに水牛は別扱い! ネパールでは水牛(バフ)のモモ(ネパール風餃子)が軽食(カジャ)として日常的に食べられているんです。 ネパール滞在中は、私は毎日のように水牛のモモで胃を埋め尽くしていました。水牛の肉質は少し硬いですが、噛み応えがあってワイルドな獣臭がクセになる。ところでモモの発祥は実はチベットだって、みんな知ってた?
今回はそんな"モモの食べ比べ"を裏テーマに、まずは新大久保駅周辺を「ネパール料理」でマップ検索。すると30店ほどのピンが立ち、こんなにもあったのかと驚かされます(商店や送金屋など合わせると40店以上あるらしい!)。 どこも評価が高く気になるお店だらけですが、残念ながらスモールストマックの私は、貴重なグルメが体験できそうな店を3軒だけ選んでみました。こんな時、大食い系女子がうらやましい! ■リトル・カトマンズの生みの親! 元祖ネパール料理店 まず訪問したのは、新大久保で最初にできたというネパール料理専門店「ネパール居酒屋モモ」(2010年オープン)。元々は留学生だったネパール人のオーナーが、ネパール日用品店を開き、そこでモモを作り始めたのがきっかけだそう。リトル・カトマンズの生みの親と言っても過言ではない、元祖ネパール料理店です。 店は雑居ビルの2Fにあり、ドアを開けるとさっそくネパール人男性が迎えてくれました。さっそく店名であり推しでもあるモモとネパールのビールをオーダー。枝豆はスルーして......あとはパニプリ? なんだっけこれ......? 「パニ」は水、「プリ(プーリー)」は油で揚げると丸く中が空洞になるスナックのこと。プリに穴をあけてジャガイモや豆、玉ねぎなどを詰めたところに、クミンが際立つマサラ(色々なスパイス)の効いた液体がパニとして注がれる。 パクッと一口で頬張ると、サクサクのスナックが弾けてお口いっぱいに異国の味がドバー! ほんのり辛くて甘酸っぱいのがたまらない、激旨スパイス爆弾です。 どこかで見たことある食べ物だと思ったら、そうだ、インドのゴアの路上だ! 私が食べたのはパニプリの兄弟分である「セブプリ」で、セブという麺状のスナック菓子が乗せてあるもの(使用するプリの形は、平らだったり丸かったり地域で違いもあるとか)。 インドの定番ストリートフードですが、パニプリに関してはネパールのメニューとしてもメジャーなようです。まぁ、お隣の国だもんね。
続いて本命のモモが熱々で運ばれてくる。久しぶりのモモとの再会を果たすと、それはまるで小籠包のような姿でした。 実はモモには2種類の形があり、餃子型のものはチベット式で、丸型や小籠包型のものはネワール式らしい。同じ丸型でもネパールで食べたツルっと皮が張ったタイプと、小籠包のように皮がゆるっとしたタイプは見た目が全然違うなという印象。 そして中身は水牛ではなく鶏肉のミンチで、オレンジ色のソースをベッタリと付けて口に放り込むと、 「え! モモってこんなに美味しかったっけ!? 鶏肉だからか日本人にも食べやすい味......」 目を見開き、手が止まらずに完食してしまいました。特にソースの味が絶妙だったので、何が入っているのかしれっとレシピを聞き出そうとすると、 「ピーナッツと......あ、秘密!」 とお茶目に返してくれたのは、お肌と顔立ちのきれいな青年で、オーナーの息子さん。ポカラから来たそうで日本には9年ほど住んでいるのだとか。日本語もペラペラ。 それからホールの店員さんにも話しかけネパールの現在の様子や、現在の日本の物価高での商売への影響を聞いてみると、カタコトながら優しく答えてくれました。 「僕は日本8年いる。時々ポカラに帰って観光地のレイクサイド(湖)やデイビスフォール(滝)に行くけど、観光客は今は全然いないから空いていていいよ。ポカラは別に変わりはないよ。日本の物価高は大変だけど、お客さんは来てくれてるから大丈夫! OK!」 さすがは人気店。ふと店内を見渡すとネパール人の同胞と思われる人が多く、この店がコミュニティの拠点となっている様子。日本人の姿はなく私はまるで観光客のようでしたが、フレンドリーなお店の雰囲気が居心地良く思わず長居。本場を味わいたいリトル・カトマンズ初心者にピッタリのお店でした。調子に乗って、 「私、ネパールのカトマンズとポカラを旅したんです。その時は日本のギャグ『ラッスンゴレライ』がネパール人に流行ってて。ネパール語でラッスンはニンニクでしょ? ネパール人の話だと、『ゴレ』は人の名前で、『ライ族』という民族がいるからって......!」 という懐かしい話をすると、どこの国にもジェネレーションギャップはあり、Z世代の店員さんたちには刺さらなかったようです......。 すべった空気に照れ笑いをしながらお店を後にしましたが、プチ・ネパール旅体験にとてもハッピーな気分でした。 次に向かうのはちょっと怪しいお店。ドキドキしながら向かうと、まさかの食材に遭遇!? 次回に続く...!(2月23日配信予定)★リトル・カトマンズを訪問した"ゆるゆる動画"もチェック! ●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】Instagram【marysha9898】YouTube『旅人まりーしゃの世界飯 Traveler Marysha』
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