Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6b1f9106116f9c1e6b15ce55f85e28540b317970
【相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実】#17 昨年12月上旬、関東のある専門学校で日本語教師を務めるBさん(女性・30代)のもとに、学校からこんなメールが届いた。 「学生1名の新型コロナ陽性が確認されましたので、明日から休校となります」 Bさんは、学校に在籍する留学生たちに日本語を教えている。学校には日本人学生もいるが、メールには陽性者が日本人か留学生か触れていない。Bさんは、すぐに教え子のベトナム人留学生に連絡を取った。すると、驚くような返事があった。 「先生、感染したのは1人ではありません。たくさんの留学生が陽性になっています」 Bさんが言う。 「私が確認できただけで、ベトナム人ら3人の留学生が感染していました。実際はもっと多いはずです。だけど、その後、学校からは何の連絡もない」 Bさんは校内でのクラスター発生を疑ったという。だが、感染経路は別の場所で判明した。地元の専門学校や日本語学校に通う留学生たちの多くがアルバイトをしている化粧品メーカーの工場と食品関連の工場で相次いでクラスターが報告されたのだ。Bさんの教え子で感染がわかった3人のうち2人も、化粧品工場で働いていた。 当初、2件のクラスターは10~20人規模と発表されていた。しかし、その後の検査で、感染者はそれぞれ30人以上に膨らんでいる。その多くが留学生である可能性が高い。Bさんが続ける。 「具体的な感染場所として指摘されたのが、バイト先までの人材派遣会社の送迎バスでした。バスを使うのは、留学生が多いんです」 Bさんと同じ市内に住むベトナム人留学生のダン君(24歳)が言う。 「(Bさんの)専門学校の感染者は、ベトナム人やネパール人ら約20人に増えたと聞いています。他にも近くの日本語学校で、留学生10人ほどが陽性になっている」 ダン君も先日、PCR検査を受けた。バイト先のお菓子工場で働く同僚の留学生が感染し、濃厚接触者とされたからだ。 「僕は陰性でしたが、5人くらいが陽性だったみたいです」(ダン君) ■高い感染リスク しかしクラスターとは認定されず、お菓子工場は稼働し続けている。一方、大変なのはクラスターが起きた職場で働く留学生たちだ。Bさんはこう話す。 「幸い留学生に重症者はいないようです。でも、バイト先の工場は閉鎖されたまま。収入が途絶えた留学生たちから『学費が払えない』との相談が相次いでいる」 政府や自治体はコロナ感染者の国籍を一切公表していない。Bさんやダン君らの証言だけで“ベトナム人を含めた留学生の間で感染が急増している”と断言するつもりはない。しかし多くの留学生たちが、極めて感染リスクの高い生活を送っていることは紛れもない事実である。 =つづく (出井康博/ジャーナリスト)
0 件のコメント:
コメントを投稿