Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/0da9b19ec4ce56d520c1edadd9daa5aaf39bbcc0
来る1月20日、カマラ・ハリスはアメリカ合衆国初の女性副大統領に就任予定だが、黒人と南アジア人としても初めてこの役職に就く人物になる。 世界中がその瞬間を見守り、彼女のスピーチからファッションの細部に至るまで注目するはずだ。 言葉使いから服まですべてが、副大統領が体現するものや、投影したいと願う価値観を表すメッセージになるのだから。 【写真】最もおしゃれなのは誰?アメリカの歴代ファーストレディを一挙総覧 ファッションと政治が交わる緊張感をはらんだこのポイントで、女性政治家は男性政治家より厳しい批判の対象になりがちだから、彼女はより注意深く乗り切らなければならない。 ハリスは仕立てのいいパンツスーツやブレザーとジーンズを好み、コンバースのスニーカーやティンバーランドのブーツ、所属していた女子学生クラブAlpha Kappa Alphaを思わせる一連のパールネックレスなどのシグネチャースタイルで遊び心と自信たっぷりな性格を投影して、難なく好印象を与えている。 彼女は服が何かを象徴することを理解しており、それは女性に投票権を求めて活動した婦人参政権論者が身につけた色に同調して、投票日の夜にキャロライナ・ヘレラの白のスーツを着用したことでも明らかに目立った。 就任式当日、私たちは副大統領となる彼女のこれまでで最もフォーマルなルックを見ることになるだろう。就任の宣誓をする時のルックと、就任式舞踏会でダンスする時のルックだ。 ハリスはこれまでヴァレンティノやマックスマーラといったヨーロッパのブランドのスーツを着たことはあるが、この重要な日には絶対にアメリカのデザイナーが手がけた服を着るだろう。 それが、そのデザイナーにとってはより大きなプラットフォームとなり宣伝になり、アメリカンファッションの販売促進にもつながる。 そこで、就任式のルックとその夜の次期副大統領のドレスを作るという栄誉にあずかりそうなブランド&デザイナー候補11人をリストアップしてみた。
クリストファー ジョン ロジャーズ
最近ブレイクしたデザイナー、ロジャーズは非常にすばらしいチョイスだ。 若く、黒人で、CFDA(アメリカファッション協議会)賞受賞者で、ミシェル・オバマのお気に入りでもある彼は、大胆な色使いとボリューム感あるシルエットが特徴だから、ハリスのいつもの生真面目なファッションチョイスから変化をつけることができるのは間違いない。 もしロジャーズを選ぶとしたら、夜の舞踏会用だろう。サプライズにもなるし、楽しませてくれそうだ。
アルチュザラ
ハリスが既に支持しているもうひとりのNYのデザイナー、ジョセフ・アルチュザラはデイ用でもイブニングドレスでも納得のチョイスだ。 巧みなワークウェアや、シャープなシルエットのジャケットで有名なアルチュザラなら、大事な日のハリスをスマートに見せてくれること間違いなし。 彼が手がける服はまた、エフォートレスなスタイルで知られるミシェル・オバマやメーガン妃が愛用していることでも有名。
パイアー モス
パイアー モスを立ち上げ、政治的メッセージと黒人であることの祝福を織り交ぜた美しい服作りをし、ファッション界のスターになったカービ・ジーン・レイモンド。 ブルックリンのキング・シアターやウィークスヴィル・ヘリテージ・センターでコレクションを発表し、一部の人にしか見られないものになっているランウェイショーの世界に一般の人を招待することでも有名だ。 知的なグラマーを体現するこうしたユニークなアプローチとスタイルは、それぞれの分野で慣習を打ち破る2人(ハリスとジーン・レイモンド)をひとつにするもので、副大統領が着用する服のデザイナー候補としてすばらしい。
プラバル グルン
投票日の夜、ライターのピエール・アレクサンドル・ムぺレは「カマラ・ハリスが就任式でカスタムのプラバル グルンのルックを着たらすばらしいだろう。2人のストーリーには共通点が多く、彼の服は既に彼女のお気に入りだ」とツイートした。まったく賛成だ。 ツイートが言っているように、2人の祖先は共に南アジア人で、ハリスはインド、グルンはネパール人だ。 彼は色で遊ぶのが好きで、大胆にフェザーのディテールを使ったりするから、デイタイムのスーツでもイブニングドレスでもフェミニンでありながら実用的なモーメントを作り出すだろう。
クシュニー
カーリー・クシュニーは最近、パンデミックによる不況でブランド閉鎖を発表したが、次期副大統領のために一夜限りの再登場を果たしてくれたらすばらしい。 どちらもジャマイカ人のルーツを持ち、ミニマルでスリークなシルエットに惹かれる傾向がある。彼女は主に黒や白にこだわっているが、就任式にふさわしい力強さやパワー、献身を表す色の赤も取り入れている。
ラルフ ローレン
ブロンクス出身のローレンはアメリカンドリームの典型としてよく引き合いに出されるだけに、女性初の副大統領に就任するという重要なイベントに着用する服のデザイナーとしてすばらしい選択。 デザインはクラシックだが、ひと目でラルフ ローレンとわかり、女性用の魅力的なタキシードや、ヒラリー・クリントン曰く、「極上のパンツスーツ」をデザインしている。
キャロリーナ ヘレラ
ハリスが投票日の夜に着て有名になった白のスーツをデザインしたのは、ヘレラの現在のクリエイティブディレクター であるウェス・ゴードン。ハリスが再び同ブランドをチョイスすれば、彼がカスタムデザインをすることになるだろう。 洗練とエレガンス、紛れもないシックさの代名詞でもあるアメリカンブランドだ。 ゴードンがデザインするヘレラなら、スーツでもドレスでもインパクト大なステートメントを作りあげるはず。
ピーター ドゥ
ピンクのパンツスーツを着たら、別の有望大統領候補者をあまりに連想させてしまうかもしれないが、フィービー・ファイロ率いていたセリーヌで経験を積んだドゥがデザインするスーツなら、どんなものでも就任式のチョイスとしてはヒネリの効いたサプライズになるだろう。 彼はまだ数シーズンしかコレクションを発表していないが、真の比類なき才能を持つデザイナーとして、評価が急上昇してきたデザイナーだ。 小規模ビジネス支援が重要視される現在、ドゥが全国的な舞台に登場すればブランドにとっては大勝利になり、彼のシャープなテーラリングと意表をついたディテールは、ハリスのスタイル信条にもすばらしくマッチする。
ガブリエラ ハースト
数年前に自身の名前を冠したブランドを設立して以来、ハーストはマインドフルで尊敬すべき才能と、ファッション界のメジャープレーヤーであることを証明してきた。 彼女がデザインする服はクールで洗練されていながら、軽くボヘミアンな雰囲気も漂わせ、サステナビリティを強調しているから、選挙キャンペーン中に環境問題への取り組みを訴えたハリスが選ぶには賢いデザイナーだろう。 ハーストはまた、最近クロエのクリエイティブ・ディレクターに就任したこともあり、人気上昇中の女性2人のコラボを見るのはとても素敵だ。
フィア オブ ゴッド
このリストの中では唯一ロサンゼルスを本拠とするデザイナーで、カルトブランド、フィア オブ ゴッドのジェリー・ロレンツォは、クールな人々が着るクールなスーツを作るというアプローチをしているだけに、刺激的なチョイスになるはず。 かつては主にストリートウェア御用達デザイナーだったが、ロレンツォが作るスーツはワークウェアが後回しにされている時にも大ヒット。 言い換えれば、フィア オブ ゴッドを着て登場すれば、ボスとして最高の展開になるだろう。
ブランドン マックスウェル
マックスウェルはセレブリティのスタイリストからデザイナーに転じた人。つまり、正しいメッセージを伝えるルックを作り上げる、完璧なプロだということ。 テキサス出身で非常にアメリカ的な良さをフィーチャーしたデザインをする彼のスタイルは、スポーツウェア的あるいはドラマティックな傾向がある。色を効かせるのが好きでありながら、ルックはウェアラブルでエレガント。 レディー・ガガからジェニファー・ローレンス、ミシェル・オバマの衣装まで手がけた経験があるだけに、ハリスとも間違いなくいい付き合いができそうだ。
Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR.com
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