Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/7989330284e0b70496c61bf29662d6b9b6d80f4e
配信、ヤフーニュースより
50人以上の学生が新型コロナウイルスに感染した前橋市の外国人向け専門学校「NIPPONおもてなし専門学校前橋校」を運営する学校法人「NIPPON ACADEMY」(清水澄理事長)が、感染拡大の教訓を基にした「えいせい(衛生)かるた」を完成させた。郷土の歴史や文化を詠んだ「上毛かるた」が親しまれている群馬ならではの取り組みだ。感染予防の知識を50音順で分かりやすく伝える一方、日本語教材としても広く活用してもらい、「一石二鳥」を狙う。 【緊急事態宣言】2020年の宣言との違いは? 「あ アルコール 手指の消毒 欠かさずに」「る ルームメイトと 親しき仲にも 換気と距離を」。A4サイズのかるたには、ふりがな付きの感染予防策がテンポ良く盛り込まれ、疫病退散の言い伝えがある妖怪「アマビエ」のイラストが添えられている。 運営法人はかるた1万2000部を作り、国内の日本語学校に無償で配り始めたほか、中国やブラジルなどの日本語教室や留学代理店などにも配布する。 同校には、ネパールやベトナムなど約20カ国から来日した900人以上の外国人学生が通う。日本のホテルや旅館などの「おもてなし精神」を実践的に学んだ学生は、温泉地の多い群馬をはじめ、全国の人手不足の現場を支えてきた。 しかし、2020年10~11月に学内外で50人超の新型コロナ感染が確認された。運営法人によると、校内では4月以降、検温やアルコール消毒などの対策を徹底してきたが、学生のアルバイト先やアパート、10月にあったネパールの国民的行事「ダサイン」の会合などで、次々と感染が広がったという。 学校への影響も深刻だった。約1カ月の休校を余儀なくされ、世間からは冷ややかな視線を浴びた。清水理事長は「行政には学生が働く職場で陽性者が出た情報を迅速に教えてほしかった。そうすれば、こちらとしても先手を打つ対応ができ、状況は違っていたのではないか」と指摘する。だが、前橋市の担当者が「感染者のプライバシーの保護などもあって、情報連携は課題だ」と語るように、なかなか難しい側面もある。 学校側も嘆いてばかりはいられない。「汚名返上をしたい」との思いを抱えた職員らの対応は早く、感染が落ち着いた後の12月には、えいせいかるたを完成させた。群馬は、ほとんどの県民が上毛かるたを暗唱できると言われるほど、かるたが盛んな土地柄だ。同校でも、7~8年前から日本語や文化を伝えるツールとして、さまざまなかるたを作ってきた。 12月24日の授業で、えいせいかるたを学んだモンゴル出身のツェンゲン・ジャルガルさん(29)は「アルコール(消毒)、大丈夫。気をつけます」と話した。清水理事長は語る。「世界中で開発されているワクチンが、どれほど効くかはまだ分かりません。今、大切なのは、感染予防の知識を身に付ける『心のワクチン』を打つことではないでしょうか」【道岡美波】
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