領有権主張・国籍取得厳格化 「ネパール」「ブータン」に火種 隣国巻き込む中印対立

Source：https://mainichi.jp/articles/20200729/ddm/007/030/064000c

毎日新聞2020年7月29日　東京朝刊、ＧＯＯＧＬＥニュースより国際

　中国とインドが国境を巡って対立する中、両国が影響力を競い合う南アジアでも新たな火種が生まれつつある。中国に近いネパールのオリ政権は最近、インドを刺激する政策を相次いで打ち出した。一方で、インドを後ろ盾とするブータンは「中国がブータン東部の領有権を主張し始めた」と反発しており、周辺国を巻き込んだ中印のつばぜり合いが激しくなる可能性もありそうだ。

　ネパールのオリ政権は６月、インドも領有権を主張する北西部カラパニなどを自国領とする地図を法制化した。インドが昨年、この地域を自国領とする地図を公表したことや、５月にネパールとの係争地に道路を開通し、市民の間で反発が高まったことを踏まえた措置だ。さらにオリ政権は、インドからの国籍取得希望者を念頭に国籍法を改正する構えを見せる。ネパール人男性と外国人女性が結婚する場合、現在の規定では女性は結婚と同時…