2019年4月23日火曜日

中国人の女性が心を痛めた言葉 日本で起きている差別のリアル

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190417-00010004-bfj-soci
4/17(水)、ヤフーニュースより

「中国人だからそういうことをするんだ。人の金を取るんだ」

都内の日本語学校に留学中の李さん(仮名・18歳)は2018年夏、アルバイト先のスーパーで、酔っ払った日本人男性客にいきなり、こんな言葉を投げかけられた。李さんは、このスーパーでレジ係としてバイトしていた。60代ぐらいの男性客が酔っ払って来店し、支払い時にレジ前で小銭をばらばらと落とした。李さんが小銭を数えるのを助けた際に、怒鳴りつけてきたという。【冨田すみれ子 / BuzzFeed 】

「仕事中だから客には丁寧に接さなければと思っていたけど、ショックも大きく、とにかく怖かったです。店長が対応してくれているけど、どうしたら良いか分からずに謝り続けたら、どんどん差別発言をしてきました」

スーパーの店長が、すぐその場にやってきた。すると、客は「金をとられた」と自分で警察を呼んだ。だが、やってきた警察官が「ちょっとこちらに」と署に同行を求めたのは、李さんではなく、その客の方だった。

その後店側は、非常時用に社員のいる事務所につながる呼び鈴をレジに設置した。しかし、李さんは差別的な発言をされた時のショックもあり、バイトを辞めた。

李さんは高校生の頃から日本に憧れて、日本語を学び、都内にある日本語学校で勉強するために一人で渡航した。事件が起きたのは、来日して半年余りすぎた時のことだった。

「日本は素敵な国。みんな優しいです」

李さんはそう話す一方で、電車で中国語を話していると差別的な言葉を投げかけられるなど、日常的に差別に直面している。

「歴史問題があるのも分かるし、実際にマナーが悪い中国人がいるのも分かる。けど良い人もいる。私は日本が好きで日本にきた。国籍だけで決めつけないで欲しい」

李さんは、BuzzFeed Newsにそう語る。
外国人の半数が差別を経験
NPO法人「反レイシズム情報センター(ARIC)」は4月16日、東京都内で行った外国人留学生や外国人労働者への差別実態調査の結果を発表し、外国人留学生ら340人中167人の49%が、なんらかの差別を受けていたことが分かった。

うち167人中100人がアルバイト先など職場、67人がそれ以外の場所で差別を受けたと回答した。

アンケート調査は今年2~3月に、日本語学校が集まるJR高田馬場、新大久保両駅周辺で行われた。

340人中285人が日本語学校などに通う留学生で、それ以外が留学以外の労働者、技能実習生などの外国人。回答者のうち83.8%がアジア出身で、8.5%がヨーロッパ、3.8%が北米出身だった。
差別の後の泣き寝入りを防ぎ、行政も対策を
差別実態調査をした反レイシズム情報センターは、「差別とは何か」「差別を見たときにどう対応するか」などを掲載し、主に大学生向けにまとめたガイドブック(上写真)を作成したり、差別を受けた外国人が相談できるオンラインの窓口も設けている。

今回の調査でも、差別を受けた後の対応として「職場の人に相談した」が19%、「友人に相談した」は15%だった。一方で59%は「何もしなかった」と答えており、同センター代表の梁英聖さんは「相談する窓口や、差別を見た時に第三者が止めたりすることが重要」と話す。

また、4月1日から、外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法が施行されたことも踏まえ「行政が、日本で起きている外国人への差別の調査を行い、差別を禁止する法の整備をすることが必要」と強調した。

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