Source:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20250219_2.html
2025年2月19日、Googleニュースより
文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)
今年も2月に入り、日本ではプロ野球の春季キャンプも始まり球春到来を迎えた。また、海外に目を転じれば、昨年11月にアラブ首長国連邦のドバイで「第1回Baseball United Arab Classic」が開催され、ネパール代表チームも出場した。この大会を主催したのはBaseball Unitedで、これは2023年に設立された中東・南アジアで初めて誕生したプロ野球リーグである。今年の5月には、西アジア野球大会が初めてイランでの開催が予定されている。コロナ禍も明け様々な国で野球熱が高まっており、スポーツを通じた世界との交流は年々広がりを見せている。
その中でネパールでは、去る12月27日と28日の2日間に渡り、首都カトマンズに隣接するラリトプールで「第3回NBSA Laligurans Cup 2024」が開催された。この大会は試合や大会の機会に恵まれない子どもたちにその機会を提供し野球を続ける目標となることを目指して、ネパール野球ソフトボール協会(NBSA)とともに2021年から定期的に開催している大会である。
今回の大会には、クラブチームや学校のチームなど全国から計6チームが参加し、選手や役員以外にも観客を含め百数十名の人々が集まった。今大会も3回目を迎えるが、継続的な開催をすることで大会運営も円滑になってきており、開会式でプラカードを手にした入場行進が行われるなど進化している。また、子どもたちにも大会が徐々に浸透しつつある。
大会後、NBSAのディパック・ネウパネ会長からは「第3回 NBSA Laligurans Cup 2024は、単なる野球大会ではなく、チームワーク、献身、そして不屈のスポーツマンシップの祭典でした。この大会を思い出深いものにしてくれた選手、ファン、関係者の皆さんに感謝します。これからもこの大会を発展させていきましょう。」とのコメントが寄せられた。
ところで、今回の大会は前回のコラム 「カラダを動かす楽しさを伝えよう!」(2024年11月25日付)で紹介したスポーツ体験会と同様に「ネパール野球25周年日本ネパールスポーツ交流プログラム2024-2025」の活動の一環でもあり、このプログラムは日本国政府が推進するスポーツ国際交流・協力事業の「Sports for Tomorrow」(SFT)の「SFTアクション+(プラス)」の事業にも採択されている。また、来る2月24日には西日本最大のシティマラソン大会である「大阪マラソン2025」が開催されるが、今年の大会には上述のディパック・ネウパネ会長などNBSAの役員ら3名も来日して大会に出場する。彼らは3万人以上が参加する大規模スポーツイベントの運営を学ぶとともに、プログラムのテーマでもある「カラダを動かすことの楽しさ」を日本で体験し、母国のスポーツの発展に向けて体験したことを伝えていくという重要な役割を担っている。私自身も彼らとともに「NPO法人日本アジア球友団ラリグラス」のチャリティーランナーとして出場することになっているが、昨年9月にはネパール最大級のスポーツイベント「カトマンズ・マラソン」にも出場した。今回、NBSA役員が大阪の地を走ることで両国を相互に走り合うという形となり、スポーツが日本とネパールの友好を深める一つの手段にもなっている。
そんな折、去る2月3日に元阪神タイガース監督の吉田義男氏が逝去された。吉田氏はネパール野球の活動初期にご指導いただき、それ以降大変お世話になっていた方である。活動20周年の際にはお祝いの言葉もいただき、ネパール野球の事も気に掛けていただいていた。この場を借りて吉田氏のご冥福をお祈りするとともに、吉田氏の気持ちに応えるためにも今後も活動に尽力していきたい。