2026年1月16日金曜日

日本の物流を支えるネパール人ドライバー採用の成功秘話

 Source:https://news.3rd-in.co.jp/article/950c94d4-f28d-11f0-840f-9ca3ba083d71#gsc.tab=0

ネパール人ドライバーの採用
2026-01-16 12:43:55
Googleニュースより

外国籍ドライバー採用の新たな一歩



日本国内での物流業界が人材不足に直面する中、株式会社丸中運送は、外国籍ドライバーを積極的に採用へと舵を切りました。今年、同社は特定技能を持つネパール人トラックドライバーを5名、新たに採用することを決定しました。この採用は、昨年11月に実施されたネパール現地視察ツアーの成果です。

ツアーの概要と参加者



この視察ツアーは、株式会社アズスタッフが主催し、丸中運送の経営企画部部長の石井氏をはじめ、総務人事担当課長北川氏、安全品質担当課長北村氏が参加しました。視察では、ネパールの教習所や日本語教育機関を訪れ、現地のドライバー候補者の運転技術や日本語能力を確認しました。

特に、教習所での運転テストでは、S字ターンや坂道発進といった実技を通じて、候補者たちの基礎技術を評価しました。彼らはまだ教育テストの段階にありましたが、その後の面接では日本に対する熱意と真剣さが伝わってきました。

現地の熱気と候補者の覚悟



面接後、石井氏は「候補者たちの真剣な眼差しと熱意が印象的でした。彼らは日本の交通法規を熱心に学んでおり、強い覚悟を持ってプロのドライバーになることを目指しています」と語ります。まさに、彼らの『ハングリー精神』は、企業にとっても刺激となるものでした。

また、候補者たちが「家族や母国のために、日本でプロのドライバーになりたい」と語る姿勢には、深い感銘を受けたと言います。日本の物流業界に新しい息吹をもたらす力がそこにあると確信しました。

外国籍ドライバー導入の背景



株式会社丸中運送が外国籍ドライバーの採用を決定した理由は深刻な人材不足です。ドライバーの高齢化が進む中、新たな人材の採用は急務だと石井氏は述べます。「ネパールの方々は真面目で日本への敬意も強いし、『日本で技術を学びたい』という高いモチベーションを持っています。彼らの活力が会社の活性化に繋がると信じています。」

今後の展望と課題



今後、まずは日本の交通ルールや地理をしっかりと習得してもらう必要があります。そして、今回採用した彼らが将来的にはリーダーとして他の外国人ドライバーを指導する存在になれるよう育成していく方針です。これにより、誰もが自分らしく働けるダイバーシティ溢れる環境を目指しています。

しかし、文化やコミュニケーションの違いという課題も存在します。これは候補者側だけでなく、受け入れ企業側の課題でもあります。石井氏は「全社を挙げて異文化理解を深めるための交流の機会を提供し、彼らが『日本に来てよかった』と思える環境作りに取り組みたい」と意気込みを語ります。

株式会社アズスタッフの今後の取り組み



株式会社アズスタッフは、今回の現地視察ツアーを3度目とし、今後も定期的にネパールでのツアーを計画しています。これにより、透明性のある情報提供を通じて、物流企業にとっての有益な手助けとなることを目指します。

現地視察に参加することで、企業は新たな候補者の技術や熱意をリアルに感じられ、より確実な人材獲得のための材料となります。このように、物流業界が新たな道を切り開く中、丸中運送のチャレンジがどのように進展していくのか、今後の動向が期待されます。


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会社情報

会社名
株式会社アズスタッフ
住所
東京都新宿区西新宿1-20-3西新宿髙木ビル2階
電話番号

【外国籍ドライバー現地視察ツアーから即内定!】株式会社丸中運送/外国人ドライバードットコムが企画するネパール現地視察ツアー参加後、特定技能ドライバー5名を採用!

 Source:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000170835.html

株式会社丸中運送(高知県高知市)は、11月に開催された外国人ドライバードットコム(東京都新宿区)が主催する特定技能ドライバー採用に向けたネパール現地視察ツアーに参加し面接も実施。5名の採用が決定した。

株式会社アズスタッフ

(候補者、丸中運送、株式会社アズスタッフ、Kizuna H.R. Solutions Pvt.Ltd、教習所関係者の集合写真)

四国から全国へ冷蔵・冷凍輸送を行う株式会社丸中運送は、昨年11月に株式会社アズスタッフが運用する外国人ドライバードットコムが主催した外国籍ドライバー採用を目的としたネパール現地視察ツアーに参加し、教習所にて運転のテスト、さらに面接も行い、5名のネパール人外国籍トラックドライバーを採用することを決めた。

ツアーには、丸中運送株式会社 経営企画部 部長石井氏、総務人事担当 課長北川氏、安全品質担当課長 北村氏の3名が参加。現地の教習所や日本語学校を見学し、教育面の内容を視察した。

(日本語学校見学の様子)

学校視察後は教習所内の運転教習コースにて、実際にマイクロバスに乗し候補者の現状での運転技術を確認。S字や坂道発進など、多くの種目をチェックした。まだまだ教育段階の候補者のため、ここからさらに技術の向上は見込まれていくという。 

その後面接を行い候補者1人1人の日本語レベルを確認。多くの質問が飛び交った。

(対面面接の様子)

ツアーを終え、経営企画部 部長石井氏は「ネパール現地を視察して最も印象に残ったのは、候補者たちの真剣な眼差しと熱意です。日本では経験したことのないような緊張感あふれる面接でした。現地の教育施設では、日本語だけでなく日本の交通法規についても熱心に学んでおり、その『ハングリー精神』には私自身も大きな刺激を受けました。 5名の採用を決定した決め手は、『家族や母国のために、日本でプロのドライバーになる』という彼らの強い覚悟です。一生懸命に日本語で自己紹介する姿を目の当たりにし、技術教育だけでなく、彼らの人生を預かる企業としての責任の重さを改めて痛感いたしました。彼らなら必ず、日本の物流を支える新たな力になってくれると確信しています。」と現地のリアルな様子を評価した。

【外国籍ドライバー導入の背景】

昨年4月に正式に導入が可能となった外国籍ドライバーであるが、導入に至った理由を石井氏はこう語る。「弊社はドライバーの高齢化及び人材不足の深刻な課題に直面しており、物流サービスを維持する為には新たな人材の確保が急務でした。ネパールの方々は非常に真面目で、日本への敬意も強く、何より『日本で技術を学びたい』という高い意欲を持っています。労働力不足が課題となる中、彼らの活力は社内の活性化にも繋がると確信し、今回の採用を決断いたしました。」と。

また今後の展望としては「まずは日本の交通ルールや地理、そして弊社が大切にしている『安全な輸送業務』をしっかり習得していただきます。将来的には、今回の第一期採用の彼らが後輩の外国人ドライバーを指導するリーダー的な存在へと成長し、国籍に関わらず誰もが自分らしく働ける『ダイバーシティ溢れる物流企業』を目指したいと考えています。」と今後も外国籍ドライバーに対し大きな期待を寄せた。

その中で今後の課題に関してはやはり「コミュニケーションと文化の違い」を挙げる。しかしこの問題は候補者だけの問題ではなく受け入れ企業の課題でもあると石井氏は考える。「様々な仕組み・仕掛けを企画し、在籍している日本人社員の異文化理解の深耕と交流できる機会を作るなど、全社一体となって彼らが『日本に来てよかった』と思える環境づくりに取り組みたいと考えています。」と課題解決に向け、双方の理解を深める取り組みを行っていく考えだ。

【アズスタッフの取り組み】

今回、3度目となる現地視察ツアーを開催した株式会社アズスタッフは、今後もネパールにてツアーの開催を予定している。(1月21日~23日、3月18日~20日予定)2か月に1回のペースでの開催であるが、数社の物流企業が参加を希望しており、現在も参加申し込みは可能であるという。現地視察の魅力として、実際に視察することでより確信の持てる情報とリアルな環境や候補者を見ることができ、ドライバー獲得の有益な検討材料にすることができる点が挙げられる。物流企業にとって透明性のあるサービスの提供を実現させるため今後も継続して企画していく予定だ。

(3月開催の現地視察ツアーのチラシ)

【本件に関する問い合わせ先】

担当:株式会社アズスタッフ 谷口愛斗

電話番号:050-8890-3418

メールアドレス:m-taniguchi@azstaff.co.jp

住所:大阪府大阪市北区曾根崎2丁目5-10 梅田パシフィックビル4階 405号

【アズスタッフ 会社概要】

社 名:株式会社アズスタッフ

英語表記:Az staff Inc.

HP:https://gaikokujin-driver.azstaff.co.jp/

本社所在地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-20-3 西新宿髙木ビル2階

従業員数:323名

拠点数:36拠点

設 立:平成23年8月15日

資本金:2,600万円

代表取締役:小林 周一

事業内容:・人材派遣業・人材紹介業・採用代行サービス・人材サービス全般・特定技能外国人にかかる登録支援機関業務
許可:登録番号:25登-011529

【ネパール送り出し機関 会社概要】

会社名:Kizuna H.R. Solutions Pvt.Ltd

設立:2023年03月

代表者代表取締役:Bhandari Thaneshwar(バンダリ タネショル)

資本金:2,000万ルピー

事業セグメント:人材紹介

事業詳細:特定技能人材紹介サービス 技能実習生紹介事業 翻訳事業、通訳派遣事業 ネパール労働省手続きサービス

所在地:〒44600 3F Kizuna Bldg Basundhara Kathmandu Nepal

連絡先:TEL:977-9857042135(代表)

許可免許等:厚生労働省人材紹介免許認可番号:1612/79/80, JITCO加盟 , OTIT送り出し機関番号:NPL003240

貴ガスを吸入して「1週間以内」のエベレスト登頂に挑戦、専門家からは懸念の声

 Source:https://www.cnn.co.jp/travel/35242704.html

友人4人組はフルテンバッハ・アドベンチャーズのガイドでエベレスト登頂を1週間で実現しようとしている/Witchaphon Saengaram/Moment RF/Getty Images

友人4人組はフルテンバッハ・アドベンチャーズのガイドでエベレスト登頂を1週間で実現しようとしている/Witchaphon Saengaram/Moment RF/Getty Images

(CNN) 始まりはパブでビールを飲んでいたときだった。元軍人の友人4人が、退役軍人の慈善団体への寄付を集めるために冒険旅行に出かけるのはどうかと話していると、ひとりがエベレスト登頂を提案してきた。

英国議員のアル・カーンズさんはCNNに「みんな忙しいので、『エベレスト登頂に4~6週間、もしくは8週間も使うなんてむり。ありえない』と答えた」と語った。

ところが、友人のひとりがこう切り返してきた。高度順応の過程を変化させ、1週間以内に標高8849メートルを登頂できるという新しい方法を聞いたと。それは登山前にキセノンと呼ばれる貴ガスを吸入するというものだ。

こうして昨年5月、パイロット、政治家、実業家、そして起業家の4人が7日間のエベレスト登頂に挑戦することとなった。英国からカトマンズへ渡航し、ヘリコプターでベースキャンプに向かう。数日後には登頂を目指し、その後帰国するという史上初の試みだ。

4人は、ツアー会社フルテンバッハ・アドベンチャーズが主催するツアーに参加。登頂10日前にキセノンを吸入することで、この挑戦を実現したい考えだ。

エベレスト登山の前には、低酸素状態に体を慣れさせる必要がある。従来ならベースキャンプまでトレッキングしてから数回往復し、数週間かけて高度順応することで体が十分な赤血球を作れるよう準備する。

同社のルーカス・フルテンバッハ最高経営責任者(CEO)は、貴ガスの専門家である医師と長時間話し合ったという。キセノンを含む貴ガスは麻酔薬として使用されることもある。

フルテンバッハ氏は、キセノンが持つ、体内のエリスロポエチン(EPO)の産生を増加させる能力を信じている。EPOは人間の腎臓で自然に生成され赤血球の産生を促すホルモンだ。キセノンを吸入した結果として得られる赤血球の増加は、実際の高度で順応しているときに得られる効果と同じだと同氏は説明する。

同氏はCNNに対し、アルゼンチンのアコンカグア(標高6961メートル)登頂時に初めて自身でガスの効果をテストしたと述べた。1年後にはより大きなチームを組み、エベレストでも試したという。CNNの取材時点で、同氏はキセノンを5回使用していた。

医学的懸念

エベレストでの死亡には、いくつかの要因が考えられる。登山者は標高8000メートルを超え「デスゾーン」に到達すると、酸素濃度の低下に直面する。

英グラスゴー大学心血管・代謝健康学部の医学名誉教授、アンドリュー・ピーコック氏は「酸素が枯渇すると、体全体、特に脳と肺に影響がでる」と話す。

また、極度の疲労と脱水のほか、雪崩、低体温症、転落の危険もある。

フルテンバッハ氏の計画は、国際山岳連盟(UIAA)を含む一部の関係者を動揺させている。UIAAは「キセノンを吸入することで山岳でのパフォーマンスが向上するという証拠はなく、不適切な使用は危険を伴う可能性がある」とする声明を発表。

男性らはキセノンガスを吸入することで高地順応に役立てたい考えだ/Courtesy Furtenbach Adventures
男性らはキセノンガスを吸入することで高地順応に役立てたい考えだ/Courtesy Furtenbach Adventures

UIAAは、麻酔薬であるキセノンは医薬品とみなされるべきであり、監視下にない環境で使用すると「脳機能障害、呼吸困難、さらには死に至る恐れがある」と警告している。

また、ある研究では、登山に推奨される用量でキセノンを使用した人に顕著な鎮静効果が見られたという。同連盟は高山という潜在的に危険な状況では、わずかな鎮静効果さえ有害だと訴えた。

ピーコック氏は、キセノンがエリスロポエチンを刺激する効果がこれほど短期間で現われるとする考えに疑問を呈し、「赤血球を増やす効果が発現するには数週間かかる」と警鐘を鳴らした。

キセノンは麻酔ガスであるため、人を眠らせる。そのため、ピーコック氏は極度の高所で麻酔ガスを吸入したときの残存効果に懸念を示している。

一方でカーンズさんはCNNにこう語る。「アルペン登山で酸素が初めて登場したとき、酸素吸入はタブー視され、使用すべきではないとされた。だが今では誰もが使用している。ヘリでベースキャンプまで行くこともタブー視されていたが、やはり今はかなり多くの人がそうしている」

高地での低酸素を再現した低酸素テントは多くのツアー会社が提供している。参加者は遠征前にこのテントで眠る/Angela Weiss/AFP/Getty Images

高地での低酸素を再現した低酸素テントは多くのツアー会社が提供している。参加者は遠征前にこのテントで眠る/Angela Weiss/AFP/Getty Images

「システィーナ礼拝堂のスピードツアーのよう」

エドモンド・ヒラリー氏とテンジン・ノルゲイ氏が1953年に初登頂に成功して以降、エベレスト登山は劇的に変化した。今ではシェルパガイドやポーター、酸素補給、さらには最高級の装備を利用できるようになり、登山愛好家や観光客ははるかにアクセスしやすくなった。

「Everest, Inc.」の著者ウィル・コックレル氏は、90年代にガイド付き登山が始まって以降、純粋な登山という意味においてエベレストはもはや登山ではなくなってしまったと述べている。同氏によると、ガイド会社は長年、遠征期間を短縮するための革新的な方法を編み出してきたという。

従来のエベレスト登頂には6~10週間かかり、最終登頂の前に山の途中や近隣の山頂にあるキャンプを何度か巡回して高地への順応を図る。

ピーコック氏によれば、個人差はあるものの、エベレストのベースキャンプがある標高6000メートルに順応するには4週間ほどかかる。

コックレル氏は、長年にわたりガイド会社が「フラッシュ」遠征を提供していると指摘。これは、ネパールに到着する前に低酸素テントで睡眠を取ることで高地順応プロセスを加速させ、遠征期間を3~4週間に短縮するものだという。

登山の純粋主義者は人々が登頂するまでのスピードに異議を唱えるかもしれないとコックレル氏は語る。「人間が旅行や登山をする時、そのプロセスを楽しむこと、いわゆるバラの香りを嗅ぐことも目的の一つではないだろうか」

同氏は「システィーナ礼拝堂の高速ツアーに申し込むようなものだ」と言い、通常のエベレスト遠征とスピード登山は、それぞれの目的を持った全くの別物と考える方が有益だとの見方を示した。

今のところキセノンガスを利用したツアーを提供しているのは、フルテンバッハ氏の会社のみ。同氏はこの新しいスタイルの登山は他の方法よりも危険性が低いと主張する。山での滞在時間が短ければ短いほど、雪崩や落石といった危険にさらされる時間も短くなるというのがその理由だ。

ルーカス・フルテンバッハ氏は高地で何度もキセノンガスを用いているという/Courtesy Furtenbach Adventures
ルーカス・フルテンバッハ氏は高地で何度もキセノンガスを用いているという/Courtesy Furtenbach Adventures

チームは、高地トレーニングの一環として低酸素テントを使用しているほか、食事と運動の計画も立てている。

それでも、チームが成功する保証はなく、カーンズさんも自分たちのトレーニングが高地の影響を軽減できるかどうか確信が持てないと認めた。

フルテンバッハ氏は、約15万ユーロかかるこの手の登山が、顧客が選ぶメインの登山スタイルになる可能性は低いとみる。

「これがエベレスト登山の唯一の方法であり、未来の方法だと言っているわけではない。これはエベレスト登山の一つの方法であり、さまざまな登山スタイルが共存するべきだと考えている」(フルテンバッハ氏)

本記事は2025年5月17日初出の記事を再編集して掲載したものです。

遺体が横たわるエベレスト、それでも登頂を目指す理由とは

 Source:https://www.cnn.co.jp/travel/35242582-3.html


エベレストの「ヒラリーステップ」を登る登山者=2021年、5月31日/Lakpa Sherpa/AFP/Getty Images

エベレストの「ヒラリーステップ」を登る登山者=2021年、5月31日/Lakpa Sherpa/AFP/Getty Images

(CNN) ぶ厚い雲が空を埋め尽くし、風速44メートル以上の凍てつく風が雪を運ぶ。零下34度という極寒の中、生命を脅かす吹雪や雪崩が頻発する。

これが世界最高峰を誇るエベレストの典型的な気象条件だ。

ヒマラヤ山脈にあり、ネパールとチベットにまたがるこの巨大な山は、標高8849メートルで、その頂上は空に浮かぶほとんどの雲より高い。

エベレスト登頂を試みるには、数カ月、時には数年にわたるトレーニングと体調管理が必要だが、それでも登頂できるとは限らない。事実、エベレストでは300人以上が亡くなっている。

それでも毎年春になると、この山には頂上を目指す何百人もの登山者がやってくる。ここでは、登頂に必要なこと、そして世界最高峰の登頂に成功した登山家のモチベーションを紹介する。

「自分の体調はかなりいいと思っていた」

外科医のジェイコブ・ウィーゼルさんは1年近く体調を整え、2023年5月にエベレスト登頂に成功した。

ウィーゼルさんは「私は約22キロのバックパックを背負い、昇降運動マシンを使った運動を何の問題もなく2時間行えたため、かなりいい状態だと思っていた。だが、自分の健康状態がこの山で要求される高い運動能力には見合っていないと知って謙虚になった」と語った。

ウィーゼルさんは「5歩歩いたら、30秒から1分かけて息を整えなければならなかった」とエベレスト登頂中の酸素不足との闘いを振り返った。

登頂を目指す登山者は通常、エベレストに到着すると、薄くなった酸素濃度に肺を適応させる。登山者はエベレストにある四つのキャンプのうちの一つ目に登り、そこで1~4日過ごしてから下山する。

この工程を少なくとも2回繰り返すことで、体が酸素濃度の低下に適応できるようになり、登山者の生存と登頂の可能性が高まる。

「もし誰かをエベレストの高所にあるキャンプに放り込んだら、10分から15分で昏睡(こんすい)状態に陥るだろう。そして、酸素濃度の低さに体が適応できず、1時間以内に死んでしまう」

ウィーゼルさんはキリマンジャロ(5895メートル)など何十もの山の登頂に成功しているが、どれもエベレストの高所とは比べものにならないという。

エベレストの最高高度で人間が生命を維持することはほぼ不可能であり、ほとんどの登山家は標高が7000メートル程度を超えると補助酸素を使用する。酸素不足は、登頂を試みる登山者にとって最大の脅威の一つであり、エベレストの「デスゾーン」に到達すると酸素濃度は40%未満にまで低下する。

エベレストのベースキャンプで撮影された数十人の登山者たち=24年、4月18日/Purnima Shrestha/AFP/Getty Images

エベレストのベースキャンプで撮影された数十人の登山者たち=24年、4月18日/Purnima Shrestha/AFP/Getty Images

「あの場所で生き残るのは難しい」

登山家たちが最初に目指すのは標高約5150メートルにあるベースキャンプで、たどり着くまでに2週間ほどかかる。その後、残り三つのキャンプへと登っていく。

登頂前の最後のキャンプである第4キャンプは標高約7900メートル、デスゾーンの端に位置する。登山者は極端に薄い空気、氷点下の気温、そして人を山から吹き飛ばすほどの強風にさらされる。

ウィーゼルさんは登山者の遺体のそばを通ったことを思い返し、「あの場所で生き残るのは難しい」とCNNに語った。亡くなった登山者の遺体は保存状態がよく、強烈な寒さのためにほとんど腐敗しない。

高地脳浮腫(HACE)は登頂を試みる登山者が直面する最も一般的な病気の一つだ。

HACEは、安定した酸素濃度を取り戻そうとして脳が膨張し、眠気や発話障害、思考障害を引き起こす。かすみ目や散発的な妄想を伴うことも多い。

ウィーゼルさんは友人の声が背後から聞こえてくるような幻聴や、子どもたちや妻が岩から顔をのぞかせたような幻覚も見えたという。

ウィーゼルさんは、負傷のため山に取り残されていた友人のオリアンヌ・エマールさんとすれ違ったことを思い返した。エマールさんは生き延びたが、救助されたとき、手にはひどい凍傷を負い、足の骨が何本も折れていた。こうしたけがにもかかわらず、エマールさんは幸運な人だと捉えられている。

エベレストの山頂をめざして山を登る登山者たち=21年、5月7日/Pemba Dorje Sherpa/AFP/Getty Images
エベレストの山頂をめざして山を登る登山者たち=21年、5月7日/Pemba Dorje Sherpa/AFP/Getty Images

「遺体が山に凍り付く」

エベレストは長い間、過酷な環境条件や斜面での事故に屈した登山者たちの墓場になってきた。

2014年にエベレストに登頂した山岳コーチのアラン・アーネットさんによれば、大切な人や仲間が登山中に重傷を負ったり死亡したりした場合、救うことができなければ置き去りにするのが慣例だという。

アーネットさんは「ほとんどのチームはその登山者への敬意から、遺体を見えない場所に移動させる」と話す。ただし、それは可能な場合に限られる。悪天候のため、あるいは遺体が山に凍り付いてしまうため、移動するのが現実的でない場合もあるという。

ガイドをしていた12人のシェルパが雪崩によって死亡した、エベレスト史上最悪の死亡事故から10年。23年はエベレストで最も死者が多い年となり、18人が死亡、うち5人はいまだ行方不明だ。




エベレストの山頂をめざす登山者たち/Pemba Dorje Sherpa/AFP/Getty Images

エベレストの山頂をめざす登山者たち/Pemba Dorje Sherpa/AFP/Getty Images

「8800メートルの山頂から日の出を見る」

第4キャンプから山頂までの約900メートルの行程には14~18時間かかる。そのため登山者は通常、夜にキャンプを出発する。

ウィーゼルさんは頂上からの景色を人生で見た中で最も美しいものの一つだったと語る。

「そこに立っていると地球上のすべてのものが自分の立っている場所より下にあることを知って不思議な気分になる」

ウィーゼルさんは山の大きさに謙虚になると言う。「これほど(自分を)小さく感じたことはない。謙虚さと自分よりも大きなものとのつながりが入り交じるこの場所では、地球上での自分たちの存在に近づくことができる」

登山者は通常、約20分から1時間後に山のふもとまで下り始める。

ジェイコブ・ウィーゼルさん/Jacob Weasel
ジェイコブ・ウィーゼルさん/Jacob Weasel

「得られる喜びはたくさんある」

アーネットさんは3度挑戦した後、エベレスト登頂に成功した。

アーネットさんは「最初の3回の挑戦は理由がはっきりしなかった」が、アーネットさんの母親がアルツハイマー病と診断されたとき、登頂の目的を変えた。「登頂してアルツハイマーのための寄付金を集め、母を称(たた)えたかった」

アーネットさんによると、2024年にネパール政府から入山許可を得たのは約300人。その数は例年より減っているという。

アーネットさんはその理由の一つを、23年に18人の死者が出たことでエベレストが危険な山だと認識されたからだとみている。

一方でアーネットさんはそれが登頂を試みる登山者をためらわせるものではないと考えている。「このような山に登ることで、より良い自分になって帰って来ることができると信じている」

アーネットさんは、エベレストは「死体の上を歩く」「ゴミが散乱している」などと過剰に宣伝されているが、現実にはそれらは小さなことであり、人々がエベレストを登ることで得られる喜びはたくさんあると語った。

本記事は2024年5月4日初出の記事を再編集して掲載したものです。


減らないエベレストのゴミ。ネパールが11年続けた保証金制度を廃止し新たな強硬策へ

 Source:https://karapaia.com/archives/577324.html

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 (著) (編集)

公開: 

image credit: Instagram @Mount Everest Base Camp

 世界最高峰のエベレストは、登山シーズンになると、頂上までのルートは登山者で長蛇の列となるほど大人気だ。

 人間が集まる場所には、当然ながらゴミや排せつ物が出る。エベレストの登山ルートにも、何十年にもわたって積み重なった廃棄物の問題が横たわってきた。

 ネパール政府は、その対策として登山者にごみの持ち帰りを義務づける保証金制度を導入してきたが、11年を経ても状況は改善しなかった。

 こうした現実を受け、ネパールはついに方針を転換し、返金されない清掃費用を徴収する新たな強硬策に踏み切ろうとしている。世界最高峰を守るための試みは、次の段階へ進もうとしている。 

増え続けるエベレストのゴミ問題

 エベレストはまたの名をチベット語でチョモランマ、ネパール語ではサガルマータといい、ネパールと中国の国境にある山である。

 人類が長年にわたって登頂に挑み続けている場所であり、長年にわたり深刻なごみ問題を抱えてきた場所でもある。

 登山者や支援隊が残してきたテントや酸素ボンベ、衣類、食料などの包装容器、さらには排せつ物までが、キャンプや登山ルート周辺に蓄積している。

 氷雪に覆われた厳寒の環境では分解が進まず、数十年前の廃棄物がそのまま残り続けており、「ゴミ溜め」のような状態が問題になっているのだ。

Mount Everest climber shares shocking state of mountain with piles of garbage

ゴミ持ち帰り保証金制度を導入したが効果が出ず

 ネパール政府はこの問題に対処するため、2014年より「ゴミ持ち帰り保証金制度」を導入した。

 エベレスト登山の許可を取得する際、登山者は1人あたり4,000ドル(現在のレートで約63万円)を保証金として預け、18ポンド(約8kg)以上の廃棄物を山から持ち帰ったことが確認されれば、返金される仕組みだった。

 この保証金制度は一見すると合理的に見えはしたが、実際には期待された効果を上げることはできなかった。

 多くの登山者は返金条件を満たすため、ベースキャンプ付近など比較的低地にある回収しやすいゴミを持ち帰る一方で、標高の高い地点や危険度の高い場所に残された廃棄物には手を付けないケースが目立ったからだ。

 高い場所から持ち帰られるのは、主に酸素ボンベだけで、テントや空き缶、食品の容器などは山に置き去りにされていた。

 その結果、制度上は返金が進んだものの、山全体のゴミの総量は大きく減ることはなく、環境改善にはつながらなかった。

 もちろん一部の登山者はきちんとルールを守っている。彼らから見ても、正直者が損をしているようで納得いかないだろう。

世界一高いゴミ捨て場

 登山者はエベレストに上る際、順応のための時間を含め、最長で6週間を山で過ごすため、平均すると一人で最大約12kgほどの廃棄物を出すという。

 実際に出すゴミの量と、持ち帰れば返金される量の差は約4kg。単純計算で行くと、1人が登山すると、約4kgのゴミが残されることになる。

 エベレストの年間登山者数は、現在約400名ほどと言われている。これに加えて、数百人のサポートスタッフが途中まで同行するため、ゴミはいつまでたっても増え続ける一方である。

 エベレストには依然として、40~50tものゴミが埋まっていると推定されており、その多くはアクセスが困難な最終キャンプ付近に集中していると言われている。 

 現在、外国人登山者はエベレストに登るために、3~5月のピーク時には、1人あたり15,000ドル(約235万円)の登山料の支払いが必要だ。そのため、「世界一高いゴミ捨て場」とも呼ばれている有様である。

 返金型の保証金制度は、登山者の行動を変えることを狙ったものだったが、山に残るゴミの量は十分に減らなかったのだ。

清掃キャンペーンを行ってもゴミは減らず

 こうした制度の限界を補う形で、ネパール政府は2019年以降、軍や地方団体、NGOと連携した清掃キャンペーンを実施してきた。

 だが高所での作業は危険を伴い、回収できるゴミの量には限界がある上に、毎年新たな登山者が山に入ることで、ゴミは再び蓄積されていく。

 清掃を繰り返しても、発生そのものを抑えなければ状況は改善しないという現実が、次第に明らかになっていった。

Image by Istock

返金を前提とする保証金の仕組みを廃止し新制度を導入

 こうした経緯を踏まえ、2025年から始まった新たな制度では、返金を前提とする保証金の仕組みが廃止された。

 新制度では廃棄物を持ち帰っても返金はなく、4,000ドルは山岳環境の維持管理に充てる費用として徴収され、清掃活動や監視体制、インフラ整備に充てる方式へと改められた。

 金額は旧制度と同じでも、その性格は大きく異なり、行動へのインセンティブではなく、山岳環境を維持するための恒常的な財源確保を目的としたものだ。

 これはネパール政府が打ち出した、2025年から2029年までを対象とする、5か年にわたる山岳清掃アクションプランの一環となるものである。

 この計画はエベレストだけでなく、国内の主要な高山を含めた包括的な環境管理を目的としている。

 ネパール登山協会によると、アルミ製の缶は約495年、スチール製のものは約95年、プラスチックは220年、ガラスは100万年もそのままだという。

 つまり何とかして回収しなければ、エベレストのゴミはいつまでたっても分解されず、増え続けるだけなのである。

 ゴミの持ち帰りは依然として義務ではあるが、今後は金銭的な見返りではなく、規則と監視によって履行が求められるより厳しい仕組みに改められたのだ。

 まず、ベースキャンプや主要ルートには、ゴミの分別や一時保管のための施設が設けられ、回収と管理を担う体制を構築。山岳レンジャーの配置が進められ、現場での厳しい監視や指導が始まっている。

 さらに登山前には、環境保護と廃棄物管理に関する事前説明を受けることになり、2025年のシーズンから運用が始まっている。

 これは単なる規則の周知ではなく、登山者自身に山岳環境への責任を自覚させることを狙ったものだ。

 また、登山終了後には、それぞれの装備や廃棄物の数量を確認するチェック体制が導入された。

「登山立国」ネパールの事情

 背景にあるのは、山岳観光がネパール経済に欠かせない収入源である一方、その利用が増え続けた結果、自然環境への負荷が無視できない水準に達しているという認識である。

 加えて、気候変動の影響も無視できない。気温上昇と氷河の後退により、これまで雪や氷の下に埋もれていたゴミが露出するケースが増えているという。

 過去に放置された廃棄物が再び表面に現れ、下流の水源や生態系に影響を及ぼす可能性も指摘されているのだ。 

 また、ネパールは多民族国家であり、一口に「シェルパ」といってもさまざまな民族の出身者がいる。

 その呼び名のもとになったチベット仏教を信仰するシェルパ族もいれば、ヒンドゥー教を信仰する部族出身の者もいる。

 これまではネパールに根強く残るカースト制度により、以前は登山隊と共に山に入るシェルパたちの多くが、「清掃」という行為をしたがらなかった。それは彼らよりも低いカーストの仕事だったからだ。

 だが最近は、そんな彼らの間にも少しずつ変化の兆しが見えているという。環境保全や美観の保護といった意識が根付き始め、自主的にゴミを集めたり清掃をしたりするシェルパたちも増えているそうだ。

 今回の制度変更を受けて、ネット上ではさまざまな議論が行われていた。

  • 清掃する費用より高額になるまで、保証金を上げればいいだけじゃないの? 制度を廃止するのはいい考えじゃないと思う
  • 以前の制度は、みんなに「ゴミの3分の1は山に残したほうが得」っていうインセンティブを与えてた。解決策は、平均的な登山者が出す量より多く持ち帰らせることしかない。新制度は少なくとも、保証金が全額返ってこないからマシに見える。集めた金でゴミ箱でも設置できるかもしれないし
  • エベレストに登れる金があるなら、他人のゴミを背負わなくて済むための4,000ドルくらい払えるだろ。うまくいかなかったのも当然だよ
  • 正直、全部片づくまで登山を止めるべきだと思う。でもそれをやったら、シェルパみたいにそれで生計を立ててる人たちに大打撃だろうな。経済全体としては大丈夫でも
  • いっそエベレスト登山を永久に禁止すればいい
    • ああ、世界中の金持ちからの「おいしい金」を捨てて、何世代も家族を養ってきたシェルパの仕事を壊すってわけね。気持ちはわかるけどさ
  • 4,000ドルは安すぎる。保証金を2万ドルにして、さらに環境保全費として5,000ドル取るべきだ
  • 全員に「自分が出したより多くのゴミを持ち帰る」ことを義務づければいい。できなかったら即ムショ行き
  • 出発時と帰還時で荷物の重さを量ればいい。軽くなってたら罰金、重くなってたら報酬。どうせ金持ちのクソ野郎どもは山を壊し続けるだろう。でもこれなら、シェルパが最低限の装備で登って、ゴミを持ち帰って稼ぐ道ができる
  • 実際、上で人が死ぬのって、下山中の人たちが助けるために止まれないからだろ。ゴミ拾いなんてするわけがない。人間すら拾わないんだから
  • ロープにつながれた長蛇の列で、ちまちま進む写真を見ると、もうこれは人生の達成でも探検でもなくて、ただの高級ディズニーアトラクションに見える。金を払って、満員の行列に並んで、山頂で15分くらい写真撮るだけ。おめでとうって感じ
  • 最近の大型ドローンなら、上の方まで行けるんだから、交代制のクルーを配置してゴミをまとめて、ドローンでベースキャンプまで運んで、ヘリで回収できないの? 4,000ドルじゃ足りないかもしれないけど、できるだけ高所までやるべきだと思う
  • 今の客の多くは、マラソンの次の「やりたいことリスト」にエベレスト登山を入れてる金持ちだ。LNT(痕跡を残さない)なんて興味も理解もない
    • それは言い訳にならない。高級ツアー会社なら、シェルパにゴミ拾いを頼んで、その分を客に請求すればいい。必要なのは倫理じゃなくて責任だよ
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 ところでエベレストと聞くと、プロの登山家でもなければ近づけない遠い山というイメージが大きいと思う。

 でもまあ、見るだけならネパール行きの飛行機に乗ればけっこう間近で見られるし、ネパールの首都カトマンズの近郊には、エベレストが見える丘もある。

 また、ハイキング好きな健脚な人なら、自分の足で歩くヒマラヤトレッキングに出かけるのもいい。

 エベレストを望めるリゾートホテルなんかもできているし、なんなら遊覧飛行もあるので、登山しなくてもヒマラヤの眺めを存分に楽しめる。

 見上げるだけなら、飛行機の窓から眺めるだけなら、今もヒマラヤの峰々はとても美しい。

 なお、インドのヴァラナシからカトマンズへ飛ぶルートは、目の前にヒマラヤの壁が立ちふさがる壮大な光景が見られるので個人的に超おススメ。

【追記】(2026/1/10) 円とドルのレートを2026年1月10日現在に合わせて調整いたしました。

References: सगरमाथासहित हिमाल सफा गर्न ५ वर्षे योजना स्वीकृत