2016年1月19日火曜日

ヒマラヤに「天使の翼」…ドローンでネパール辺境地に医薬品届ける

Source: http://japanese.joins.com/article/982/210982.html

2016年01月19日17時03分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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=9日、ネパールのヌワコット郡ナルハマダプ村で現地の子供たちと共に医薬品輸送用ドローンを持って立っているソーシャルベンチャー「エンジェルスワン」のチーム員たち。(写真=エンジェルスワン)
  「ドローンでネパール辺境の村に医薬品を届けるって?」

  多少無謀に思える挑戦に誰もが首をかしげた。だが技術を研究してドローンを作り、数百回にわたる試験飛行を経て、ネパール上空でドローンを飛ばした。薬品箱は2キロ離れた村に無事に届けられた。それぞれ違う専門医大の学生8人が作ったソーシャルベンチャー「エンジェルスワン」の話だ。

  エンジェルスワンのプロジェクトは昨年3月、ソウル大学ベンチャー経営学科の「創業実習論」授業で始まった。学生たちがチームを組んで実際の創業を構想する授業だった。米国ジョージア工科大学から交換学生として来ていたパク・ウォンニョン(25)さんと政治外交学部のチョン・スルイ(25)さんが授業で初めて会った。

  アイテムについて悩んでいた間にネパールでマグニチュード7.8の大地震が発生した。その時、航空宇宙学を専攻していたパクさんがネパールを助けるドローンを作って非政府組織(NGO)などに販売しようというアイデアを出した。カメラを搭載して被害地域の「精密地図」を描けるドローンを作ろうというものだった。「物資供給や建物再建などのためには地域の被害規模を把握しなければならないが、ボランティアたちが直接現地調査する方法は危険だという話を聞いた。その時アイデアが浮び上がった」。

  その後2人は本格的にドローン製作に着手した。経営学・材料工学・デザインなどさまざまな分野から人材を集めた。カン・ユビン(25)、キム・デヒョン(23)、キム・スンジュ(23)、モ・ヨンファ(23)、ソ・ジスク(22)、チェ・ソンジュン(25)さんが合流してエンジェルスワンチームが結成された。

  だがドローン製作は容易ではなかった。なじみの薄い分野であるドローンについて直接グーグルや本を検索しながら研究しなければならなかったし、製作コストを減らすためにインターネットを検索して値段の安い部品を直接輸入しなければならなかった。

  3カ月余り研究した末に、決まった地域の写真を撮って、これを組み合わせて鳥瞰図形式の精密地図を作るドローンを作った。このドローンは昨年7月にカトマンズ大工科大学に直接届けられて被害復旧に使われた。

  挑戦はここで終わらなかった。ネパール訪問当時、多くの住民たちが医薬品をまともに配給されずに苦労する姿を目撃したためだ。カン・ユビンさんは「道路事情が劣悪で山地が険しく、病院や保健所に行くために5日間歩かなければならない村もあった」として「ワクチン1つあれば治る病気のために死んでしまう人々を見て来て、医薬品を届けるドローンを構想した」と話した。

  医薬品の重さにも耐えながら正確な位置に箱を落とせるよう衛星利用測位システム(GPS)と高度を測定できるセンサー、カメラなどを装着した。長く飛べるようにバッテリーやプロペラも改良した。横・縦1メートルのドローンは平均時速20キロで1キロ相当の医薬品を載せて30~40分間飛べるように作った。費用はソウル大学が支援した。

  エンジェルスワンは4日、医薬品配達用ドローン(メディドローン)を持ってネパールのヌワコット郡ナルジャカンダプ村に試験飛行のために発った。カトマンズからバスとトラックで7時間走ってたどり着く村だ。エンジェルスワンは現地警察の助けを受けてドローンを飛ばし、保健所から2キロ離れた村に注射器・ワクチン・鎮痛剤など住民10~20人余りが1カ月間使用できる医薬品の箱を届けることに成功した。モ・ヨンファさんは「3月にはネパール政府と協力してもっと遠い村までドローンを飛ばす計画」と明らかにした。

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