2016年5月13日金曜日

ネパール進出、留学生を社員に もぐさ製造、長浜「山正」

Source: http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20160512/CK2016051202000016.html

2016年5月12日、GOOGLEニュースより
「日本企業がネパールに進出するきっかけをつくりたい」と意気込むルペスさん=長浜市内保町で
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 おきゅうに使うもぐさを製造する長浜市内保町の「山正(やましょう)」が、長浜バイオ大(長浜市田村町)を今春卒業したネパール人留学生を社員に採用した。ネパール工場の年内稼働に向けて準備を進める同社。新たな海外戦略の即戦力として期待している。
 「工場を成功させるために自分がいる。コミュニケーション力には自信がある」。首都カトマンズ近郊で生まれたサイズ・ルペスさん(25)=同市三田町=は、流ちょうな日本語で意気込む。
 同社がネパールに進出したのは、もぐさの原料となるヨモギの確保が目的だ。主力の中国産は、現地の人件費高騰が課題となっており、寒暖差の激しいヒマラヤ山脈に自生するヨモギの品質の高さに着目。昨年三月にカトマンズに工場を建設し、操業準備を進める。
 ルペスさんは二〇一〇年、日本に留学していた姉に触発され、十九歳で来日した。日本語を習得するため二年間、大阪府の語学学校に通った後、長浜バイオ大に入学した。「ネパールの大自然を生かして国を発展させたい」と考えていたルペスさんにとって、生物の応用技術を研究するバイオ大は格好の勉学の場だった。
 同社との接点は三年生の時にさかのぼる。長浜北ロータリークラブの奨学生となったのを機に、会員だった山正の押谷小助社長と出会った。ネパール進出計画を聞かされ、翻訳の学生アルバイトなどを経験し、卒業と同時に入社した。
 同社がルペスさんに期待するのは、現地の事情に精通していることや語学力だけでなく、遺伝学を学んだ専門性とバイオ大での人脈もある。
 山正は四月、バイオ関連の事業化を支援する「長浜バイオインキュベーションセンター」(同市田村町)に入居した。もぐさはヨモギの葉の裏の綿毛を精製してつくるが、それ以外の大部分は産業廃棄物として捨てており、有効活用に取り組むためだ。
 センターの研究には長浜バイオ大も関わっており、同社企画課の押谷優助さんは「商品開発に向け、さまざまな専門家とつなげてほしい」と期待する。
 ルペスさんは「山正を大きくして、他の日本企業もネパールに進出するきっかけをつくりたい」と希望に胸を膨らませている。
 (渡辺大地)

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