Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/ca9ed8ed6fa80491dc61711eb5a18d16e8961d0c
福島県内の介護福祉の職場は人手不足に悩む。担い手を呼び込もうと行政と連携してあの手この手と尽くす中、外国人人材の積極採用が進む。熱心な働きぶりが現場を活気づけ、国際交流が深まるなどの効果が出ている。福島労働局によると2022(令和4)年10月末現在、県内の「社会保険・社会福祉・介護事業」分野で働く外国人は286人で、10年前の10倍になった。関係者は「今後も増える」とみており、働きやすい環境の整備など、受け入れ体制の一層の充実が求められる。 福島市の「多宝会」は2021年から外国人を採用している。現在はベトナム、ミャンマー、ネパール、中国の4カ国17人が働く。 運営する介護老人福祉施設「まちなか宝生園」では、中国出身のオウ・コウリュウさん(23)が入所者の食事や入浴などの介助に当たる。お年寄りが聞き取りやすいよう、身ぶり手ぶりを織り交ぜ、ゆっくり話しかける。母国の生活習慣や文化を入所者に紹介すれば、入所者はオウさんに地元の方言や相撲、ご当地ラーメン店などを教える。明るく誠実なオウさんの人柄もあってか、施設内は笑いが絶えない。上司によると、以前よりも入所者の笑顔が増えたという。上司は「異文化の風によって施設の世界観が広がった」と好意的に受け止める。
オウさんは「先輩から学び、技術を磨きたい」と意欲的だ。職員は「介護技術を教える側として、これまでの指導法を見直し、改善するきっかけになった」と明かす。 南相馬市の「南相馬福祉会」は東日本大震災後、求人を出しても応募がない状況が続いていた。昨年、外国人を募集し、ミャンマーから7人を迎えた。熱心な仕事ぶりに他の職員は刺激を受けている。来年はさらに8人程度の増員を目指しているという。 ■育成、環境整備に課題 福島労働局がまとめた、県内の「社会保険・社会福祉・介護事業」分野の外国人労働者数と雇用事業所数は【グラフ】の通り。技能実習生や、在留資格「特定技能」を持つ外国人らが進出している。 県内の65歳以上の要支援・要介護認定者数は2022年9月末で11万3968人となり、介護保険制度が始まった2000年の4万1622人から大幅に増加している。高齢者福祉施設などは人手を求め、介護福祉分野の有効求人倍率は平均3倍で推移する。
施設側は外国人を貴重な担い手と評価する。県は、受け入れを後押しするため、県老人福祉施設協議会に委託して外国人と介護施設を引き合わす「マッチング」に力を入れている。面接会の他、施設向けの説明会を開いている。 一方、施設側からは「外国人向けの指導要綱が確立されていないため、育成は手探りの状態」と苦悩の声が上がる。「指導のノウハウを共有できる場を増やしてほしい」と要望もある。 協議会は指導者研修会の開催や、外国人受け入れに対する理解醸成、外国人同士の交流や技術研さんを進める。高木健専務・事務局長は「外国人が働きやすい環境整備に努める」と話す。 地域福祉が専門の福島大行政政策学類の鈴木典夫教授は「外国人労働者からも魅力ある職場と思われるような処遇改善が介護業界全体の課題だ」と指摘する。 日本人の担い手を確保する施策も求められる。県は、介護業界の魅力を若者に伝える高校生向けの出前講座や、労働環境改善のための週休3日制導入の支援事業を展開するなどしている。


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