2021年11月10日 05時00分 (11月10日 09時42分更新)、GOOGLEニュースより
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練習に励む栗山優也さん=磐田市で
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静岡産業大(磐田市)四年の栗山優也さん(21)が先月、プロサッカー選手を目指してネパールに飛び立った。目の疾患で一度は挫折しかけたプロの道。「子どもたちに夢を与えられる選手になる。全力で取り組めば道は開ける」。プロリーグもあるネパールで、プロ選手との練習に参加するなどして、現地チームへの入団を目指す。 (山中正義)
「一緒に練習しよう」。栗山さんが九月、大学のグラウンドで自主練習していると、ネパール人プロサッカー選手のサントス・シャフカラさん(33)に声を掛けられた。ネパール代表歴も豊富なシャフカラさんは、シーズンオフになでしこリーグ二部・静岡SSUアスレジーナの三好茜選手(17)=伊東市出身=のコーチも務め、三好選手らと練習に来ていた。
自主練習を見てもらうようになり、出会ってから三日目。「意志があるなら支援するから一緒にネパールでプロを目指さないか」。シャフカラさんからの思いも寄らない言葉に驚いた。
東京都出身の栗山さんは中学時代に都内のクラブチームに入り、本格的にサッカーの練習を始めた。高校、大学もサッカーで進学先を決め、キーパー一筋でやってきた。
大学の部活ではライバルも多く、試合出場の機会に恵まれなかった。課題を克服して最後の一年に懸けるつもりだった。日本でのプロ入りを目指し、社会人チームの練習にも参加していた。
だが、今年初め、ボールが二重、三重に見える異変を感じ、白内障と診断された。手術しても今まで通りプレーできるか分からなかったが、「自分を表現できるのはサッカーしかない。諦めたら後悔する」と手術を決意。成功し、元通りにプレーできるまで回復した。
シャフカラさんとの出会いが運命を変えた。練習中、水分補給のため何げなくペットボトル飲料をあげたことが、シャフカラさんの心に触れた。「こんなふうにしてくれた日本人は初めて」。栗山さんの選手としての実力だけでなく人間性に引かれた。サッカーを通じた子どもの教育などに取り組む伊東市のNPO法人「レアーレ・ワールド」の理事でもあり、団体として支援することを決めた。シャフカラさんは「反応が速く、技術は十分」と期待している。
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